市民記者レポート
東やまと市報令和7年5月15日号
人と人
2019年本屋大賞のノンフィクション本大賞を受賞した『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、英国で労働者階級の白人生徒が9割を占める中学に通い始めた息子に起きる事件だらけの日常を、日本人の母視点で書かれたノンフィクション作品。人種・宗教・貧富差など、多様性社会の縮図な校内で日々起こる事件を乗り越え成長する様が、力強くて面白くて泣ける。
先日、東大和市で生まれ育ったLGBT(性的少数者)当事者の講演会を聴く機会に恵まれた。その講演会で国内のLGBTの割合は約9%で、左利きの人とほぼ同じだと聞き、一気に身近に感じた。カミングアウトしたい人はできる環境、したくない人はしなくても良い環境づくりが大切で、LGBTに限らず外国人・障がいの有無・介護や子育て中の人など少数派の人も、みんな「ひとりの人」として当たり前に認め合い接すればいいという至極シンプルなことを改めて学んだ。
別の日には、第一中学校の1年生クラスで行われたダイバーシティ授業を見学した。4〜5人の班に外国人留学生が加わって、母国の文化や学校生活について流暢な日本語で生徒たちとコミュニケーションを取りながらその人らしく紹介していく。初めは硬くなっていた生徒も少しずつ引き込まれて笑顔が出る。時間がくると留学生が入れ替わり、次の国とその人を知っていく。中学1年生にとって世界が小さくなる瞬間に立ち会った気がした。
メディアや教科書で「多様性」「ダイバーシティ」と見ても具体的にイメージしづらく自分から遠いことのようだが、目の前にあれば腑に落ちる。一人ひとり違うのは当然だから、なんてことはないもう既に多様性の中で生きているんだと気づく。まだ知らないことは多いけど関心を持っていよう。「ひとりの人」との繋がりを大切に。
(市民記者 市村和美)
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