令和8年度市長施政方針
令和8年度の市長施政方針を、令和8年第1回市議会定例会で表明しました。

令和8年度市長施政方針
令和8年第1回市議会定例会の開会にあたりまして、市政に対する所信を申し述べ、市議会並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
さて、時代は今、大きな「転換点」を迎えております。
複数の歴史学者が指摘する「80年周期説」という歴史観があります。これは、約80年ごとに世界や国家に大きな構造転換、すなわちパラダイムシフトが起こるという説です。歴史を振り返ってみますと、米国や欧州だけでなく、日本においても明治維新から第二次世界大戦の終戦までが約80年、そして昨年は、戦後80年の節目の年に当たります。
よって、2026年はこの周期説に基づくと変化が本格的に始まる転換の年となります。私たちは、好むと好まざるとに関わらず、これから始まる新たな時代に対峙し、適応し、その中で発展していく覚悟を持たなければならないと改めて強く感じています。
東大和市においても、税収不足や生産年齢人口の減少、社会保障費の増大など、行財政運営は厳しさを増すことが見込まれております。そのような中で、市政にも様々な課題が山積しておりますが、私はそれらを未来に先送りするつもりはございません。市政のハード、ソフト全般をこれからの時代に合わせリノベーションし、組織全体で対応していく所存です。
そして、バックキャスト思考で長期的な視点を持ち、目指すべき未来をできる限り具体的に描き、その未来を実現するための道筋を逆算して定めることで、課題の着実な解決を図ってまいります。
それでは、市政の状況について申し述べます。
まず初めに、令和8年度は、市のハード面のリノベーションの1丁目1番地、公共施設の再配置計画を固めます。当市の公共施設の大半は建築から40年以上が経過しており、老朽化への対応は待ったなしの状況です。老朽化した施設の計画的な保全と更新、適正配置の実現は、財政面でも非常に困難で、市政運営史上最大かつ最難関の課題と言っても過言ではありません。今後毎年約7億円の基金の積み立てが欠かせないものとなりますが、この「動かざる山」を動かす挑戦が発展の芽となり幹となり、将来きっと花を咲かせてくれるものと信じ、果敢に取り組んでまいります。
その第一歩として、昨年末、再配置計画の素案を公表いたしました。学校を軸に豊かな「学び」の実現や、地域の「集い」の場の機能を集約するとともに、行政サービスの充実や市民の利便性向上を図るため 、市役所周辺の公共的機能を集約するなど、新たに健康・福祉・子育て支援の拠点施設の整備も進めてまいります。
そのほか、市民の利便性向上と行政事務の効率化を実現するための「DXの推進」も欠かせません。
令和7年度は、DXプランの改定を行い、「行かない市役所」の実現を目指して、手続きのオンライン化を進めるほか、多摩地域初の取組として、市公式LINEで一時預かり保育の予約を開始するなど、市民の利便性向上に努めてまいりました。令和8年度も引き続き、DX化による市民サービスの向上を進めてまいります。
さらに、高齢者のデジタルデバイド対策については、これまでのスマートフォン体験会の取組等に加えて、新たに65歳以上の高齢者のスマートフォン購入費用の補助を開始し、引き続き、誰もがDXの恩恵を受けられるよう、努めてまいります。
そしてやはり、市政運営のイノベーションの原動力は「ヒト」であります。
当市が数ある自治体の中から選ばれる魅力ある市となるためには、「職員力」の向上が必須であり、それに伴う「組織力」の強化も必要不可欠です。
これまで、東大和市の職員は「他人事」ではなく「自分事」として、様々なことに正面から向き合う職員となるべく、組織全体で意識をリノベーションし、尽力してまいりました。
「職員力」に関しては、これまでも各種研修や、外部派遣を通して、職員の知識や経験を深め、事務遂行力や問題解決力を伸ばす取組に重点を置いてきました。
また、人事評価制度の更新や、週報の導入により、マネジメント層が職員とより向き合える仕組みを整え、意欲やモチベーションの向上を図っております。人材確保については建築技術職の通年採用の実施や若手職員中心に作成した職員採用PR動画の公開などの取組にも力を入れ、その効果は着実に表れています。
「組織力」に関しては、縦割り主義を排し、市の総合力を発揮するため、ヒト・カネ・情報を担う部署を集約いたしました。部を統合して連携を強化することで、業務効率を高め、同じコストでも高い成果を挙げ、住民サービスとして還元できる体制を整えました。この体制は、職員にとっても有効で、他部署の業務も把握することで視野が広がり、更なる成長につながっています。
当市においては厳しい財政状況の中、限りある財源を有効に活用し、最大の効果が図れるよう、人と組織を活性化させることがさらに重要となっています。職員個々の成長促進と職員の能力を十二分に活かすための環境をつくることが、市の発展を実現するための強固な礎となると信じ、令和8年度も職員とともに組織力を向上してまいります。
さて、市民の皆様から頂いた任期も残り約3分の1となり、令和8年度は、市長として年度を通して務める今任期最後の年度になります。
市長に就任した当初と比べて、まち全体が少しずつ明るい空気に変わってきていると市民の皆様からお声がけいただき、私自身もその変化を実感しております。
共に働く職員には、当市の未来と新しい時代を創るタイミングに居合わせたこと、この時代の市政に関われることを運命的に、前向きに捉えて、未来志向で仕事を進めてもらいたいと考えております。また、多くの挑戦も期待します。挑戦や失敗なくして、成功がないことは、先人たちが証明しております。
職員誰しもが、ゲームチェンジャーとして、新たな発想や従来のやり方を変え、一致団結して課題に正面から立ち向かうことで、令和8年度もより良い市政の実現に努めてまいります。
令和8年度重要施策
それでは、これより、令和8年度の重要施策4点につきまして申し上げます。
(重要施策1)子ども・子育て支援施策の推進
まず初めに、第1の重要施策「子ども・子育て支援施策の推進」についてであります。
令和2年に策定した「東大和市子ども・子育て憲章」を周知することで、子どもたち自身が自らの持つ権利について知り、権利を尊重する意識を育むことを目指してまいります。
周知方法の一つとして、学校給食で使用する食器に「東大和市子ども・子育て憲章」のイラストを使用し、普及啓発を進めてまいります。
次に、子育て環境につきましては、現在、大和南保育園跡地において、子育てひろばの施設拡充整備を進めており、これにより地域子育て支援拠点の機能を強化するとともに、一時預かり事業及び乳児等通園支援事業を開始してまいります。
また、南街地区における認可保育園の廃止を受け、新たな法人が行う施設整備を支援してまいります。
続いて、学校教育についてであります。
学力向上につきましては、令和7年度に更新した1人1台端末を効果的に活用して、児童・生徒の確かな学力の育成を図ってまいります。
また、外国語教育の充実につきましては、中学生の「オンライン英会話学習」や小学生の「東京グローバルゲートウェイ グリーンスプリングス」での英会話学習を引き続き実施し、「生きた英語」に触れる機会を創出してまいります。
特別支援教育の推進につきましては、小学校における自閉症・情緒障害特別支援学級の令和9年度の開設に向けた準備を進めてまいります。
学校給食費の無償化につきましては、引き続き国や東京都と連携して継続していくとともに、これまで私費会計で行っていた給食に係る会計事務の公会計化を実施いたします。
また、学校給食センターが稼働して10年を経過することから、調理場内厨房機器の修繕を行うなど、計画的に修繕等を実施してまいります。
食育の充実につきましては、新たな取り組みとして、多くの方々に食育に対する理解を深めていただくための講演会を実施いたします。
学校施設の整備につきましては、第四小学校と第八小学校の体育館床改修工事を実施するとともに、学校再配置の事前準備として、対象となる学校のアスベスト調査、地歴調査、測量及び耐力度調査を実施いたします。
(重要施策2)健康・高齢者施策の推進
続きまして、第2の重要施策「健康・高齢者施策の推進」についてであります。
はじめに、「保健・医療」についてであります。
令和7年度から開始した胃がん内視鏡検診につきましては、定員を大きく上回る申し込みをいただいており、令和8年度におきましても、継続して実施いたします。
また、新たに、こころとからだのケア事業として、18歳以上の中等度難聴の方、及び65歳以上の高齢者で、医師が必要と認めた方に対する補聴器の購入にかかる費用の一部助成と、がんなどの治療による外見の変化に対するウィッグや胸部補正具等にかかる費用の一部助成を実施いたします。
次に、「高齢者福祉」についてであります。
地域共生社会の実現に向け、成年後見制度を必要とする人が適切に制度を利用できるよう、支援の仕組みづくりを一層推進するため、新たに中核機関設置等事業を実施いたします。
次に、「生涯学習及びスポーツ、レクリエーション」についてであります。
生涯学習につきましては、現行の『生涯学習・生涯スポーツ推進計画』の後継となる生涯学習とスポーツに関する指針等をそれぞれ策定するほか、老朽化した市民会館の舞台用設備等の更新工事を実施してまいります。
また、スポーツと観光事業などとの連携による地域活性化や、健康長寿事業との連携など、様々な事業を展開してまいります。
(重要施策3)都市の価値を高める施策の推進
続きまして、第3の重要施策「都市の価値を高める施策の推進」についてであります。
はじめに、「防災」についてであります。
災害対応力の強化につきましては、『地域防災計画』に基づき、地域の防災・減災に向けた取組を推進するとともに、東大和市総合防災訓練の内容をより実践的なものとし、職員の発災時における対応力を高めてまいります。
また、消防団本部の指揮車両を更新してまいります。
次に、「都市づくり」についてであります。
東大和市駅周辺のまちづくりにつきましては、これまでの「拠点形成調査検討」の結果や、意見交換会でいただいたご意見などを踏まえ、地域の将来像とその実現に向けた取組方針を示す「まちづくり構想」を策定するとともに、具体の事業手法に関する検討を進めてまいります。
上北台駅周辺のまちづくりにつきましては、駅北西地区における良好な住環境の形成や土地利用の増進、からぼり緑道公園における散策環境の充実などを図るため、地区計画等の決定に向けた手続きを進めてまいります。
また、持続可能な都市づくりに向け、引き続き『立地適正化計画』及び『地域公共交通計画』の一体的な策定に取り組んでまいります。
市内の公園等のあり方につきましては、『公園等再整備・管理運営計画』の策定に取り組むとともに、市立狭山緑地と周辺の公園については、市民や利用者の皆様からご意見をいただきながら事業者などへのサウンディング調査を実施するなど、資源を活用したあり方について検討を進めてまいります。
(重要施策4)持続可能な行財政運営等の推進
次に、第4の重要施策「持続可能な行財政運営等の推進」についてであります。
はじめに、行財政運営、行政改革についてであります。
市税等の徴収につきましては、令和6年度決算において、市税では収納率が過去最高の99.4%と東京都内26市中第4位を達成いたしました。また、国民健康保険税の収納率につきましても、過去最高の94.6%となり、都内26市中第3位に入り、はじめてトップ3入りを果たしました。
令和8年度は、市税及び国民健康保険税の収納率1位を目指し、丁寧かつ公平な徴収の取組を進めながら、税収の確保に努めてまいります。
次に、窓口における市民サービスの向上についてであります。
マイナンバーカードの更新等に関する手続きが増加していることを受け、市民課に専用受付窓口を設置し、併せて事務の一部を民間委託し、利用しやすい窓口になるよう更なる改善を行ってまいります。
また、相談支援を行っている障害福祉課、生活福祉課、子ども家庭センターでは、市民からの相談の際に「AI相談支援システム」を活用し、適切な支援につなげてまいります。
次に、「公共施設等マネジメント」についてであります。
公共施設の再配置については、冒頭、申し上げました「公共施設の再配置計画」の策定を進めてまいります。
また、東京都の補助金を活用し、本庁舎の中庭において、障害の有無を問わず全ての子ども達が遊べるインクルーシブ遊具を設置し、市民が憩える広場となるような再整備の検討を進めてまいります。
(重要施策以外の令和8年度に取り組む主な施策)「健康であたたかい 心のかよいあうまちづくり」について
最後に、重要施策で申し上げました施策以外の令和8年度に取り組む主な施策につきまして、「第五次基本計画」の施策に沿って2点申し上げます。
「健康であたたかい心のかよいあうまちづくり」については、令和9年度から計画期間が始まります『第7次地域福祉計画』、『高齢者福祉計画・第10期介護保険事業計画』、『第4次障害者総合プラン』、『第3次健康増進計画』及び『第2次自殺対策計画』を策定してまいります。
また、「地域コミュニティ」については、昨年度に引き続き、友好都市である喜多方市での農業宿泊体験を実施してまいります。
令和8年度予算の編成等
続きまして、令和8年度予算の編成について申し上げます。
令和8年度予算の概要でありますが、扶助費の増加が続く中、物価高騰の影響も長期化しており、財政運営への影響が見込まれるところではあります。
しかし、市財政の持続性と健全性の確保を最優先とし、財源配分の最適化を図り、安定と成長の両立を目指しました。
歳入では、市税等について、令和6年度決算や令和7年度の収入状況等の実績を踏まえ、税制改正の動向も注視しながら計上いたしました。
また、歳出では、一つ一つの事業の意味や意義を十分考慮し、最少の経費で最大の効果を挙げ、住民の福祉の増進に努めることに職員の“チカラ”を最大限活用し、1円たりとも無駄にしない創意工夫の予算編成を進めました。
厳しい財政状況の中で、公共施設の再配置計画を進め、計画的な保全と更新を実現するためには大きな財源が必要です。そのため、財政調整基金や公共施設等整備基金の積み立てを着実に行い、将来負担の平準化に取り組んでまいります。
以上、市政に対する私の所信と令和8年度の主要な取組について申し上げました。
冒頭に申し上げたとおり、時代は今、「大きな転換点」を迎えています。
先が見通せない中、不安を理由に一歩引くのか、それとも、最初の一歩を踏み出すのか。この転換点では、日々の小さな挑戦の積み重ねが、個人としても、組織としても、将来の姿を大きく左右します。他人任せではなく、課題を自分事とし、自ら動き、周囲を巻き込むことがますます重要となっています。
また、どんなにAIが進化しようとも、人が深く考えることは重要です。
デジタル化により一定の答えが簡単に示される時代となりましたが、情報を受け取るだけでは、成長やスピードは望めません。だからこそ、その情報を持って原点に立ち戻り、街に出て、市民の皆様との関わりを深めるべきだと思っています。自分の目で見て、耳で聞き、生の情報に触れること。好奇心を持ち、労を惜しまず勉強をし続け、チャレンジすること。
そして、その活動を続ける先にこそ、これからの東大和市に必要な市民・企業・行政の連携、協働によるオープンイノベーションが実現すると信じております。
私はこれまで一貫して、「今のありがとうだけでなく、未来のありがとうのために」を掲げ、様々な課題に目を背けることなく、真正面から立ち向かってまいりました。未来は誰にも分かりません。まだ白紙だからこそ、理想の未来を思い描き、試行錯誤を重ね、未来を創り上げていくことに大きな価値があると信じています。
結びに、市議会並びに市民の皆様の一層のご理解と、当市の未来を創る一員、仲間としてのお力添えとを心よりお願い申し上げ、令和8年度の施政方針といたします。
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