令和6年度市長施政方針

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ページ番号1009314  更新日 2024年2月22日

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令和6年度の市長施政方針を、令和6年第1回市議会定例会で表明しました。

令和6年度市長施政方針

東大和市長 和地 仁美

令和6年第1回市議会定例会の開会にあたりまして、市政に対する所信を申し述べ、市議会並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに、このたびの令和6年能登半島地震で被災されました方々に、心よりお見舞いを申し上げます。また、犠牲となられた方々に、心より哀悼の意を表するとともに、被災地の皆様の安全と、一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。

それでは、市長就任後、9か月が経過し、この間、様々な事案を通じて、私が認識した市政の状況について申し述べます。

全体的なトレンドといたしましては、人口減少や少子高齢化が進展し、将来見込まれる税収不足や、生産年齢人口の減少、また、人材の流動化に伴う、優秀な人材の流出や獲得競争の激化など、従来型の取組や考え方では太刀打ちできない課題が増加しております。厳しさを増す自治体間競争の中、この状態を放置すれば、気づかぬうちに当市も埋没してしまう状況にあることから、改めて身を引き締めていかなければならないと感じております。

当市には多摩湖や狭山丘陵など、誇れる不変の資源がありますが、市を取り巻く環境の変化が著しくなるに連れ、時代の潮流に合わない取組が顕在化し、見直しが必要となっております。

また、老朽化した公共施設については、学校の更新をはじめとした、膨大な事業費負担が避けられない中、頻発する保全対応への少なからぬ費用負担が、将来の更新に影響を与えるものと考えます。「二兎を追う者は一兎をも得ず」とならないよう保全と更新の現実的なバランスを取ることが必須な状況と捉えております。

そして、経営資源として私が重視しております「人材」に関連する課題としましては、近年、職員の離職、特に若年層の離職が続き、採用に至っては、近隣市との競合に苦戦しております。

まさしく、「組織は人なり」

私は、これまで一貫して人材の重要性を述べてまいりましたが、これは、単なる採用だけの問題ではなく、市の総合力が問われる看過できない問題であると認識しています。

市長就任以来実施した全職員との面談を通じ、私は、今日の激動の時代を切り開く志を有する職員が当市にはいることを確認いたしました。こうした職員を、市を支えるリーダーとして育成することは、市の総合力の向上のため、つまり、当市が生き残り、発展するためには必要不可欠であると考えております。

環境の変化に耐え得る強い組織を目指し、まずは職員の個の育成に重点を置き、意識改革を進めるとともに、マーケティングスキル等の習得を目的とした民間企業への派遣や、行政課題の解決に成果を生み出す経営力を習得するため、民間人材と肩を並べた、プロフェッショナルスクールへの参加等、人材育成の取組を強化いたします。そして、職員が主体的に情報収集を行い、政策提案ができるよう、庁内インターネット環境の整備を進めるなど、職員が実力を発揮し、働き続けたいと思える職場づくりも進めてまいります。

そのうえで、私は市長として、山積した難題から目を逸らさず、真っすぐと対峙することが、自らに課せられた使命であること、そして、私の代で道筋をつけるという、決意を新たにしたところであります。今の難題が、未来の負担とならぬよう、物事の本質に勇気をもって向き合い、時代の趨勢を捉えた取組を職員と共に進めてまいります。

令和6年度は、私が市長として手掛ける初めての予算編成となります。

市を取り巻く環境が大きく変化していく中にあっても、本日ご提案する令和6年度予算を通じて、「輝きプラン」に掲げた重要施策等を着実に推進し、市民の皆様が将来にわたっていきいきと活躍できる、活力あるまちづくりを進めてまいります。

令和6年度重要施策

それでは、これより、令和6年度の重要施策につきまして、4点申し上げます。

(重要施策1)子ども・子育て支援施策の推進

第1の重要施策として、子ども・子育て支援施策の推進について申し上げます。

はじめに、子育て支援についてであります。

子どもの医療費助成につきましては、公約に掲げましたとおり、高校生等までを対象に、令和6年10月から所得制限と保険診療分の自己負担を撤廃し、完全無償化を実施いたします。

子どもや若者、子育て世代への支援施策につきましては、「市町村こども計画」など6つの計画を、次期「東大和市子ども・子育て未来プラン」として一体的に策定し、取組を進めてまいります。

子育て環境の充実につきましては、保護者の多様な保育ニーズに応えるため、ベビーシッター利用支援事業の利用対象者の範囲を広げるとともに、子どもに関する心理相談や虐待相談の件数が増加していることなどを受け、子ども家庭支援センターにおける臨床心理士の相談日等を拡充し、対応してまいります。

保育施設等の整備につきましては、令和6年4月に児童発達支援センターとして「子ども発達支援センターつむぎ東大和」を、また、「東大和どろんこ保育園」を開設するほか、大和南保育園跡地の都有地を活用した子育て支援施設の拡充整備を進めてまいります。

次に、子どもたちの健全育成についてであります。

学童保育の充実につきましては、三例目となります学校内学童保育所として、第二小学校内に学童保育所を設置し、放課後子ども教室と連携しながら事業を実施してまいります。

次に、学校教育についてであります。

学力向上につきましては、新たな取組として、市内全小学校第5学年を対象に、立川市に所在する「東京グローバルゲートウェイ グリーンスプリングス」での体験型英語学習を導入し、中学校第1学年から始めるオンライン英会話マンツーマンレッスンに繋げ、英語教育の更なる充実を図ってまいります。また、小中学校のモデル校及び不登校児童生徒に対し、個に応じたきめ細やかな学習を実現するために、AI型学習教材を活用してまいります。 

教育環境の整備につきましては、令和7年度に向けて、校務ネットワークシステムやGIGAスクール環境の再整備、1人1台端末の更新に向けた準備を進めてまいります。

施設整備につきましては、第七小学校と第九小学校の統合に向けて、安全・安心で教育環境の変化に対応可能な新しい時代の学校づくり、地域コミュニティの核となる魅力ある学校づくりを進めるために、基本設計等に着手してまいります。

(重要施策2)健康・高齢者施策の推進

続きまして、第2の重要施策として、健康・高齢者施策の推進について申し上げます。

はじめに、保健・医療についてであります。

予防接種につきましては、帯状疱疹ワクチン接種費用の助成単価を、現時点で多摩地域の最高額となるよう増額し、疾病予防の取組を推進してまいります。

妊産婦や子育て家庭への支援につきましては、伴走型相談支援と経済的支援を一体的に行う母子包括支援事業を引き続き実施するとともに、産後ケア事業における訪問型の実施や利用方法の見直しによる拡充を図ってまいります。また、市独自事業である、妊婦に対する、もうすぐママ応援給付金事業の継続実施や東京都の補助事業である1歳児を養育する家庭へのバースデーサポート事業の拡充により、経済的支援を進めてまいります。

次に、高齢者福祉についてであります。

高齢者施策につきましては、「高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画」の初年度として、高齢者が住み慣れた地域での支え合いのもと、尊厳を保ち、健康でいきいきと安心して、自分らしく生活できるよう、関係機関と連携し、地域包括ケアシステムの更なる推進を図ってまいります。

次に、障害者福祉についてであります。

障害者支援につきましては、障害の有無に分け隔てなく理解し合える共生のまちづくりを推進するために、「手話言語条例」を制定してまいります。

次に、生涯学習及びスポーツ、レクリエーションについてであります。

生涯学習等の推進につきましては、「生涯学習・生涯スポーツ推進計画」に基づき、各種事業を計画的に実施してまいります。

また、地区公民館にインターネット環境を整備し、利用者の利便性と学習機会の向上を図ってまいります。

(仮称)東京街道運動広場につきましては、東京都が行う工事の進捗状況を踏まえ、利用開始に向けた準備を進めてまいります。

(重要施策3)都市の価値を高める施策の推進

続きまして、第3の重要施策として、都市の価値を高める施策の推進について申し上げます。

はじめに、防災についてであります。

「地域防災計画」につきましては、東京都地域防災計画の修正に伴い内容の見直しを行うとともに、地域の防災・減災に向けた取組を総合的かつ計画的に進めてまいります。

災害対応力の強化につきましては、消防団全分団の消防ポンプ自動車更新を完了させるため、第一分団の車両更新に向けて準備を進めるとともに、東大和市総合防災訓練をより実践的なものとするため、内容の見直し、検討を行ってまいります。

また、防災備蓄品につきましては、液体ミルクの導入など、避難者のニーズに対応した更新を行ってまいります。

加えて、高齢者の安心・安全を確保するため、65歳以上の高齢者のみ世帯に対し、火災の早期発見に資する住宅用火災警報器の交換費用について、補助を行ってまいります。

次に、都市づくりについてであります。

「都市マスタープラン」につきましては、令和5年度に作成した全体構想(素案)に引き続き、地域別構想の作成などを行い、改定してまいります。

また、地域資源を活用した魅力の創出、活力や賑わいを生み出す拠点の形成などを着実に進めていくため、都市マスタープランの改定などと並行して、東大和市駅周辺の拠点形成に向けた調査検討や、上北台駅北西地区「地区計画」の策定、そして空堀川旧河川部の都市計画公園の指定に向けた調査検討も進めてまいります。

公園整備につきましては、多くの方々に親しまれる狭山緑地として、更なる魅力の向上を図るため、都内最長を目指したローラースライダーの整備に向けた実施設計等を進めるとともに、市内全体の公園を確認し、今後の機能や役割等について検討した上で、整備計画等の策定に着手してまいります。

次に、生活環境・地球環境についてであります。

地球温暖化対策につきましては、組織改正により、ゼロカーボンに向けて取り組む係を新設し、「第四次地球温暖化対策実行計画・事務事業編」の推進と「地球温暖化対策実行計画・区域施策編」を策定してまいります。

次に、商工業、勤労者支援についてであります。

産業振興につきましては、市内創業の促進を図るため、創業塾の実施や、スタートアップ企業の支援に関する先進事例の調査・研究などを進めてまいります。

次に、消費生活についてであります。

消費生活センターにつきましては、悪質商法や契約トラブルなどの被害を防止するため、関係機関との連携を強化するとともに個々の相談の質の向上を図ってまいります。

次に、観光とブランド・プロモーションについてであります。

観光につきましては、市が有する資源に新たな魅力や価値を加えることで、多くの人に当市を訪問していただけるような取組を検討し、試行も含め実施してまいりたいと考えております。

また、ブランド・プロモーションにつきましては、組織改正により新設する広報プロモーション課において、市内外に対する市の魅力発信の強化を図るため、市報やSNSの内容や活用方法など、より効果的となるよう、一から見直しを図ってまいります。

(重要施策4)持続可能な行財政運営等の推進

最後に、第4の重要施策として、持続可能な行財政運営等の推進について申し上げます。

はじめに、行財政運営、行政改革についてであります。

今後も厳しい財政状況が見込まれる中、市の行財政運営を安定的に維持し、市民サービスの向上を図るために、第6次行政改革大綱に基づく取組を推進し、持続可能な行財政運営に努めてまいります。

デジタル化の推進につきましては、「DXプラン」で掲げた目標の実現に向けて、証明書等の申請をオンラインで行う「行かない市役所」、窓口での申請書への記入を省略して手続ができる「書かない窓口」、多くの方が利用されているコミュニケーションアプリ「LINE」を活用したオンライン手続等の導入により、市民サービスの利便性と仕事の生産性の向上を図ってまいります。

また、庁内におきましては、文書管理システムの利用推進により、全起案文書における電子決裁の実施を目指すとともに、タイムカードの廃止や勤務状況の把握などを電子化するため、庶務事務システム等の導入準備を進めてまいります。

職員の働き方改革の推進につきましては、職員の健康保持と生産性の高い職場環境の構築を目指すため、コンサルティング事業者の支援を受けながら職員の仕事に対する意識改革や働き方改革を推進する取組を進めてまいります。

こうしたデジタル化と働き方改革を並行して進め、仕事の生産性を高める土台を形成することにより、頑張る職員がやりがいを感じ、次のステップへ挑戦していく好循環を生むための仕組みの検討や組織風土の醸成を行ってまいります。

次に、公共施設等マネジメントについてであります。

公共施設の再編につきましては、市制施行100年を見据えた「まちのリノベーション」を具体化していくため、既存施設の将来にわたる維持管理コストなどを踏まえながら、組織横断により一体的で現実的な検討に着手してまいります。

なお、新型コロナウイルスの影響を考慮し保留しておりました公民館等の公共施設の使用料に関する方針につきましては、将来の維持管理コストを踏まえた今後の検討の動向を見極めた上で、改めて検討する必要があることから、当面、実施はいたしません。

次に、協働・情報共有についてであります。

協働の推進につきましては、その基礎となる、市政に関する理解と、市民に開かれた市政運営を進めるため、「東大和ヒトみらいトーク」を実施し、市民の皆様と市政運営に関して率直な意見交換を行ってまいります。また、地域課題は多様化・複雑化しておりますが、それらの解決に前向きな市民が気軽に参加できる協働の仕組みについて検討してまいります。

情報共有の推進につきましては、LINEを活用したセグメント配信や市民アンケートの実施等、SNSなどを活用し、新たな手法も取り入れ、積極的かつ効果的な広報広聴活動に努めます。 

以上、令和6年度における4つの重要施策について申し上げました。 

令和6年度予算の編成等

続きまして、令和6年度予算の編成について申し上げます。

令和6年度予算の概要でありますが、物価高騰の影響が長引く中、財政運営への影響が見込まれるところでありますが、歳入では、市税等について、令和4年度決算や令和5年度の収入状況等を参考にし、税制改正も注視しながら計上いたしました。

また、歳出では、既存の事業について、その必要性を改めて検討し、すべての事業について「今現在の効果」だけでなく、「将来の効果に結び付くか」という視点を持って計上いたしました。

引き続き、厳しい財政状況が見込まれる中、行政改革に取り組み、積立基金の確保など市財政の持続性と健全性を維持するとともに、時代の変化に即応できる財政運営に努めてまいります。

 

以上、市政に対する私の所信と令和6年度の主要な取組について申し上げました。

昨今の物価高騰や自然災害の発生等、市を取り巻く環境は、急激かつ大きく変化しております。

また、公共施設の老朽化対策は待ったなしの状況にあるなど、市の未来にとって重要な課題も山積しております。

私は、こうした変化の激しい時代の中にあっても、将来にわたり当市が輝き続けるために、子ども子育て支援施策の推進や、都市の価値を高める施策の推進等、重要施策を着実に進め、「今のありがとうだけでなく、未来のありがとうのために」という視点で、今現在に軸足を置きながらも、長期的な視点に立った行財政運営を行ないたいと考えております。

そして、市民の皆様一人ひとりが輝き続けるまちづくりを進め、「未来につながる市政」を目指してまいります。

市議会並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げまして、令和6年度の施政方針といたします。

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