○東大和市環境基本条例

平成16年12月27日

条例第23号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境基本計画(第7条)

第3章 環境の保全に関する施策の推進等(第8条―第13条)

第4章 市民活動の促進等(第14条―第17条)

附則

私たちが暮らすまち東大和は、その北部に狭山丘陵が広がり、季節の移ろいを感じることができる貴重な自然に恵まれている。とりわけ多摩湖の周辺は、四季折々の美しい景観で人々を魅了し、東大和のシンボルともなっている。私たちの健康で快適な生活は、こうした先人たちから受け継いだ健全で豊かな環境の下に成り立っている。

しかしながら、現代に生きる私たちは、めざましい都市化の進展の中で、物質的な豊かさや利便性を追求するあまり、自然の回復能力を超えて空気、水、土を汚し、資源の枯渇化を招くなど環境への配慮をおろそかにし、結果として、地球規模の環境問題をも引き起こしてしまった。

私たちは、良好な環境の下に生活する権利を有する一方、この良好な環境がもはや与えられるものではなく、私たち自らの努力により維持され、創造されるものであることを自覚し、より恵み豊かな環境を次世代へ引き継ぐ責任を果たさなくてはならない。

このような認識の下に、東大和市、事業者及び市民が、環境の保全に関し共通の理念を持ち、自発性と協働による環境保全の取組を推進させ、もって良好な環境を将来にわたり確保するとともに、持続的発展が可能な社会をつくりあげていくことができるよう、ここに、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全、回復及び創出(以下「環境の保全」という。)について基本となる理念を定め、東大和市(以下「市」という。)、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本的な事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(2) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下、悪臭等によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全は、市民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保し、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全は、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会をつくりあげていくことを目的として、すべての者の協働により行われなければならない。

3 環境の保全は、人の活動が地球規模の環境問題をも引き起こすという認識の下に、すべての事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、環境の保全を図るため、次に掲げる事項に関し、基本的かつ総合的な施策を策定し、推進する責務を有する。

(1) 公害の防止に関すること。

(2) 大気、水、土壌、動植物その他の自然環境の保全に関すること。

(3) 人と自然の豊かなふれあいの確保、良好な景観の保全、歴史的文化的遺産の保全等に関すること。

(4) 野生生物の種の保存その他の生物多様性の確保に関すること。

(5) 資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量に関すること。

(6) 地球温暖化の防止、オゾン層の保護等地球環境の保全に関すること。

(7) 前各号に掲げるもののほか、環境への負荷の低減に関すること。

2 市は、自ら率先して環境への負荷の低減、公害の防止及び自然環境の適正な保全を図るため、必要な措置を講ずる責務を有する。

3 市は、環境の保全に関する施策に、事業者及び市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、その事業活動において、環境への負荷の低減、公害の防止及び自然環境の適正な保全を図るため、必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するために必要な情報の提供に努めなければならない。

3 事業者は、市が推進する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、その日常生活において、環境への負荷の低減、公害の防止及び自然環境の適正な保全に努めなければならない。

2 市民は、環境の保全のために必要となる知識を習得し、理解を深めるよう努めなければならない。

3 市民は、市が推進する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

第2章 環境基本計画

第7条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、東大和市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全に関する目標

(2) 環境の保全に関する施策の基本的な方向

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を策定するに当たっては、あらかじめ東大和市環境保全審議会の意見を聴くとともに、事業者及び市民の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

第3章 環境の保全に関する施策の推進等

(施策の調整及び推進)

第8条 市は、環境の保全に関する施策について総合的に調整し、及び推進するために必要な措置を講ずるものとする。

(環境への負荷の低減に資する取組の推進等)

第9条 市は、事業活動及び日常生活における環境への負荷の低減に資する取組を推進するため、事業者及び市民に対する啓発その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業について環境の保全に適正な配慮がされるよう、当該事業者に対し必要な措置を講ずることを求めることができるものとする。

(国、東京都等との協力)

第10条 市は、環境の保全を図るための広域的な取組を必要とする施策について、国、東京都、他の地方公共団体等と協力して、その推進に努めるものとする。

(監視、測定等)

第11条 市は、環境の状況を的確に把握するため、必要な監視、測定等を行うものとする。

(施策の公表)

第12条 市長は、環境の保全に関する施策で実施したものの概要について、東大和市環境保全審議会の意見を付した上で、定期的に公表しなければならない。

(施策の評価)

第13条 市は、環境の保全に関する施策の適正な実施のため必要と認めるときは、当該施策の進ちょく状況について評価を行うものとする。

第4章 市民活動の促進等

(環境の教育及び学習の促進)

第14条 市は、広報の充実その他の必要な措置を講ずることにより、事業者及び市民の環境の教育及び学習の促進に努めるものとする。

(自発的活動の促進)

第15条 市は、事業者、市民又はこれらの者で構成する団体に対する活動の場の提供その他の必要な支援を行うことにより、環境の保全に関する自発的な活動の促進に努めるものとする。

(情報の共有)

第16条 市は、環境の保全に関する情報を収集し、提供することにより、当該情報を事業者及び市民と共有するよう努めるものとする。

(環境月間)

第17条 事業者及び市民が、広く環境の保全についての関心及び理解を深め、並びに環境の保全に関する活動への意欲を高めるため、東大和市環境月間を設ける。

2 東大和市環境月間は、市長が別に定める。

3 市は、東大和市環境月間の趣旨にふさわしい事業を実施するものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

東大和市環境基本条例

平成16年12月27日 条例第23号

(平成16年12月27日施行)