子どもたちの心にお話の灯を!

 みなさんは、暑い暑い夏をどのようにお過ごしになりましたか。ようやく朝夕に涼しい風が吹くようになり、空を見ると夏から秋へと季節が移り変わっているのを感じます。
 この夏、東大和市では様々なイベントが行われました。市立図書館では、3館(中央、桜が丘、清原)合同夏休みおはなし会スタンプラリーが開催されたので、特別イベントである「コワーイおはなし会」を見学してきました。各図書館には、ヒヤッとするおはなしや絵本を楽しみにして大勢の子どもたちが集まりました。
  まず、スタンプラリーカードをもらい、“おはなしのへや” に入ります。子どもたちは少し興奮しているように感じました。「今日はコワーイおはなし会です。」という話し手のことばに、4~5才の女の子が、「コワイおはなし、だいすき」とささやきました。おはなしのろうそくに火がついたら、おはなしが始まります。部屋が暗くなり、ろうそくの火が燃えたつ頃には、子どもたちの心は現実を離れて、物語の世界へ入る準備ができあがっています。そして、おはなしが進んでいくと、それぞれが想像力を働かせ、話し手についていきます。クライマックスが近づくにつれ、子どもたちは隣の友だちの手を握ったり、肩を寄せ合ったりしていました。「コワイおはなし、だいすき」と言っていた女の子は、お母さんのお膝の上でじっと息を詰め、話し手のことばに耳を澄まします。やがて、おはなしが終わると、ピーンと張り詰めた緊張感はゆっくりとほどけていきます。コワクなんかなかったよ、というような顔や、ホッとした顔、ポカンとした顔など、色々な表情を見せてくれます。なんと素直な聞き手でしょう。続く絵本では、話し手による心をこめた読みが、絵と一緒に物語を進めてくれます。絵本のすぐ近くまできてのぞいている子どもが何人もいました。
 おはなしと絵本が終わり、はじめにつけたろうそくの火が願いごとと共に吹き消されると、子どもたちは物語の魔法から解き放たれました。
 “子どもたちの心にあたたかなお話の灯を!” 私のお話の師のことばを改めて心に刻みました。
(市民記者 氏井直美)