第3編 第2章 効率的でスリムな行財政運営の実現
今後、新たな課題や時代が求める行政需要に的確に対応していくためには、市民生活をいかに向上させることができるかといった視点に立った、効率的でスリムな行財政運営の確立が求められています。
そのためには、「21世紀にふさわしい市民とともに歩む『自治体』をめざして」を基本理念とした行政改革の地道な取り組みにより、行政運営の簡素・効率化などによる財政の健全化を確立していくことが必要です。また、成果を重視するという考え方を取り入れ、行政サービスとそのためのコストとを十分に吟味し、真に必要な施策の厳選・重点化等にもとづく優先順位づけを行う新たな仕組みづくりが必要となっています。
また、公共施設については、量から質へのまちづくりの移行、少子高齢化の進展による行政需要の変化、あるいは、厳しい財政運営など環境が様々に変化しています。このため、その設置目的に立ちかえり、長期的で多様な需要の変化にも柔軟に対応できるよう、用途の転用や複合化をも視野に入れた計画的で効率的な運用が課題となっています。
1 健全な財政運営の確立
(1)計画的な財政運営
財政収支の均衡化と弾力性のある財政構造にもとづく持続的・安定的な財政運営を確立する必要があります。このため、中・長期的な展望を持った財政計画を策定し、その定期的な見直しを行っていきます。
また、地方債については、後年度負担の軽減を図るため、計画的な活用に努めます。
(2)財源の確保
- 自主財源の確保
さらなる市税の課税客体把握の強化に努めるとともに、市税等の収納率の向上を図ります。また、受益者負担の原則にもとづき、使用料・手数料等の定期的な見直しを行い、市民負担の公平化に配慮した自主財源の確保に努めます。あわせて、新たな税財源についても、その検討を行います。
さらに、国・都に対し、地方分権に伴う事務事業の移譲を含め、市の役割分担に応じた税源移譲の働きかけを行います。
- 依存財源の確保
補助事業等の実施にあたっては、真に必要な補助事業を厳選し、また、国・都の動向を迅速かつ正確に把握し、諸制度の効果的な活用、財源確保に努めます。
あわせて、補助制度の新設や補助率の引き上げ、地方交付税制度の改善、超過負担の解消等を国・都に働きかけます。
(3)財務情報の公開
貸借対照表(バランスシート)の研究などにより、市民にわかりやすい財政情報の作成に努めます。
また、その公開・提供を図ります。
2 計画行政の推進
(1)計画行政の推進
高度化・多様化する市民ニーズに的確に対応できるよう、基本構想にもとづき、総合的・計画的な行政運営を推進します。
このため、基本計画に定められた諸施策を着実に実行するため、3か年の実施計画を策定し、毎年度の予算と連動したローリングに努めます。
(2)計画の実効性の確保
計画の実効性の向上を図るため、「計画」と「予算」、さらには「評価」との結びつきを一体的なものとして強めていきます。また、計画の進捗状況を正確に把握できる進行管理の確立などにより、マネジメントプロセス(計画・実施・評価)におけるフィードバック機能等を高めていきます。
3 事務事業の簡素効率化の推進
(1)事務事業の見直し
事務事業については、定期的に評価を行い、時代の変化により必要性が低くなったもの、一定の成果をあげたもの、行政需要の減少したものなどについて縮小や廃止、統合等による見直しを行います。
また、新規の事務事業については、原則としてサンセット方式を取り入れます。
(2)民間委託の推進
市民生活をいかに向上させることができるかという視点に立ち、行政が提供すべきサービスについて最も効果的で確実、かつ良質なサービスを提供していくことが必要です。このため、民間委託をはじめとする事務事業の外部化を積極的に推進します。あわせて、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)など新たな手法についても検討を行います。
また、民間委託の統一的基準の作成やその適正な実施に努めます。
(3)行政評価制度の導入
市民ニーズを的確に把握し、限られた財源を効果的に活用するため、成果の重視とアカウンタビリティ(説明責任)の視点を基本とした行政評価制度導入の検討を進めます。また、導入後には、評価の結果を施策や事務事業の見直し、あるいは、予算編成に反映させていきます。
4 組織・人事制度の充実
(1)効率的な執行体制の確保
新たな行政需要などによる環境の変化に対し柔軟に対応できるよう、計画的な見直しによる組織の簡素化を進めます。あわせて、プロジェクトチームの活用や横断的な応援体制の強化などにより組織の効率的な運用を図ります。
また、事務プロセスの簡素化、情報技術の活用など事務処理を見直すとともに、民間委託など事務事業の外部化の推進により、職員数の抑制を図り、適正な定員管理に努めます。
(2)人事管理の適正化
地方分権の時代にふさわしい効率的で合理性に富んだ人事・給与制度を確立し、職員の士気を高めることが必要です。
このため、業績や能力を公平かつ客観的に評価し適切な処遇を図ることを目的として、従来の年功重視型から、勤務評定、目標管理、昇任試験などによる能力を重視した人事管理システムへの移行に努めます。
また、職員の採用にあたっては、新規採用に限定せず、能力ある多様な人材の確保に努めます。
(3)職員の意識改革と資質の向上
職員一人ひとりが市政推進の担い手として、市民や地域の目線で常に問題意識を持ち、質の高いサービスを提供しなければなりません。このため、職務遂行能力などの向上とあわせて、事務事業評価などの新たな取り組みを通した意識改革を進めていきます。
また、地方分権の進展に伴うアカウンタビリティ(説明責任)などにも対応できる能力の養成が求められています。
そのため、基礎知識付与研修に加え、主体性や洞察力、提言力が身につく討議型、課題対応型、創造型の実践的研修を拡充していくとともに、政策法務研修の充実を図ります。
さらに、専門的知識を習得するための研修を拡充するとともに、職員の自己啓発を促すための自主研修制度の確立を図ります。
加えて、管理職のマネジメント研修を強化し、職場内研修(OJT)を通した組織の活性化に努めます。
5 行政情報化の推進
(1)総合的・計画的な情報化の推進
電子自治体の実現に向けて、総合的な調査研究、審議調整を図るための庁内組織を設置します。また、行政情報や地域情報の電子化をめざした「情報化計画」を策定します。
(2)事務の高度化・効率化
IT(情報通信技術)の特長を活かした事務処理の高度化・効率化を図るため、職員の意識改革や庁内LAN及び情報機器等の基盤整備を進めます。また、国のIT(情報通信技術)化計画等を踏まえた高度情報システムの構築に努めます。
(3)市民サービスの向上
福祉、防災、教育など市民生活に関わる広範な行政情報を提供し、活用できるような地域ネットワークシステムを構築します。これにより、申請・届出や施設予約などの手続きの簡素化をはじめ、地域活動への支援・市民参加の促進などに努めます。
(4)情報システムの安全性の確保
電子化された個人情報を保護するため、情報機器の適正管理や職員資質の向上による運用など、セキュリティ対策の一層の強化を図り、安全に利用できるIT(情報通信技術)環境づくりを行います。

6 公共施設の計画的整備と活用の促進
(1)公共施設の適正配置
これからの地域における公共施設には、ふれあいを基調として市民の連帯を深めるとともに、社会参加を促し地域活動を活性化させるコミュニティの核としての機能が求められています。
そのため、市民と行政が一体となって、望ましい地域社会を形成するための拠点としての諸施設の適正・効果的な配置に努めます。
(2)既存施設の有効活用
多様化する市民ニーズに対応するため、既存公共施設の事業効果や保有コストの評価にもとづく有効活用や多目的活用、あるいは余裕教室の活用などを積極的に進めます。あわせて、PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)などについても、その活用手段の検討を行っていきます。
また、省エネルギー・省資源化を視野に入れた効率的な管理運営により、維持管理費の削減に努めます。
(3)施設の計画的保全・改修
老朽化した多くの公共施設を、短期間で更新していくことは困難です。このため、耐震補強や老朽化設備などの改修工事を計画的に進め、施設の長寿命化を図ります。
また、既存施設の改築に際しては、用途変更をも視野に入れるとともに、高齢者や障害者等の利用を容易にするバリアフリー化に努めます。


