現状と課題

  •  今日の地域社会においては、都市化の進行などによって人と人とのつながりや心のふれあいが希薄化し、孤立化していく傾向がみられます。しかし、その一方では、高齢者の援護、児童・青少年の健全育成、防災、ごみのリサイクル化など、地域社会の連帯がなければ解決が困難な課題が山積しています。
     市民が安心して快適な日常生活を送るためには、近隣の人々との交流や活動を通じて、相互の連帯意識に支えられた地域社会を形成していく必要があります。
     
  •  現在、市内には、公民館を拠点とした学習や趣味の自主グループが多彩な活動と交流を行っており、こうした市民の活動や交流の場として、公民館や図書館をはじめとした学習施設などの整備に努めているところです。
     また、市では8つのコミュニティ区を設定し、それにもとづいて地域活動の拠点となる老人福祉館、児童館、集会施設など、各種地区施設の整備に努めています。しかしながら、コミュニティという言葉の抽象性などから、それが市民の意識や生活のなかに根づくものとはいえない状況となっています。
     今後は、地域コミュニティの醸成に向けて、市民の共通理解が得られるよう、各種施策を展開する必要があります。
     さらに、コミュニティ形成の基盤となる自治会・町内会については、世帯加入率がおよそ50%と、年々減少の傾向にあり、その支援の強化が一層求められています。
     
  •  地域における市民の交流と連帯を育むため、児童・青少年の健全育成、学習、文化、スポーツ、地域福祉、ボランティア、防犯・防災、自治会など諸活動への支援を強化していくとともに、各種の地域組織をコミュニティ区を単位としたものに再生していく必要があります。
     また、「ふるさと」意識など、地域への愛着意識を深める視点から、市民まつりや地区イベントなどを側面から支援していくことも重要となっています。
     
  •  公益的な地域課題については、これまで主に行政が取り組んできたところですが、課題が多様化・高度化する中で、その解決を市民の手に委ねたり、行政が市民と共に処理した方が、的確で、成果を上げている場合が増えています。
     また、ボランティアやNPO(民間非営利活動団体)の活動、あるいは、事業者のISO14001取得などにみられるように、地域社会を構成している市民(市民・NPO・事業者等)のまちづくりへの取り組みも活発化しています。
     このため、地方分権の実践には、こうした市民とのパートナーシップの構築が必須となっています。今後は、市民と行政が、それぞれの立場で責任を果たしながら、相互の理解と協力のもとにまちづくりを進めていく、協働のまちづくりを推進していく必要があります。

 

第二次基本計画の「主な事業」の達成状況
事業名 事業概要 達成状況 第三次計画での扱い
コミュニティ委員会の設置 コミュニティ区に市民主体の組織を設置し、広範な活動を支援 未着手 中止
コミュニティ・ カルテの作成 コミュニティ区の地区環境を調査し、地区整備の指針を作成 未着手 中止
集会施設の整備 第一次生活圏域に集会施設・児童館・老人福祉館を複合したコミュニティ施設を整備
〔1.南街・上北台・桜が丘・向原地区、
2.清原地区、3.芋窪・蔵敷地区、4.狭山・清水地区〕
1.達成
2.着手
3.着手
4.着手
継続
まちづくり組織の設置 市民主体のまちづくり組織を設置し、運営を支援 未着手 継続

 

基本目標

  1. 地区施設の複合的な整備と多目的・効率的な利用を進めて、多彩なコミュニティ活動が展開できる場の確保に努めます。
     
  2. 市民の自発的で多彩な地域活動が展開されるよう、コミュニティにかかわる市民組織・団体の育成や諸活動の支援に努めます。
     
  3. 市民との協働を図るため、地域の自主性に配慮しながら市民に身近な公共施設の管理を市民に委ねるなど、公益的な地域課題の解決に向けて市民の活力を活かしたまちづくりを一層推進します。 

施策の方向

  1. コミュニティ活動の活性化
     
     市民のコミュニケーションやネットワークにより豊かな地域社会を築いていくため、従来からコミュニティ形成の基盤となっている自治会・町内会など、地域の結びつきによる自治組織の活性化に努めます。加えて、新たに、趣味やスポーツ、あるいは、福祉・教育など特定のテーマを持ち、区域にとらわれない多様な市民による自主活動ともネットワーク化を図ります。あわせて、エコマネー(地域貨幣)など活性化のためのきめ細かい施策の検討をも行い、新しい時代にふさわしいコミュニティづくりを進めます。
     また、市民センターなどコミュニティ活動の拠点となる施設の整備を図るとともに、学校など既存の公共施設の有効活用にも努めます。
     
  2. 自主活動の促進
     
     市民のボランティア活動への関心の高まりの中、教育や福祉、環境など多くの分野で活発化しているボランティア活動を支援していくための総合的な窓口を設けます。あわせて、関係機関との連携のもと、活動推進のための基本的な指針の策定やインターネットなどを活用した情報の収集・提供などに努めます。また、NPO(民間非営利活動団体)の活動についても、支援施設の確保や活動を促進する条例制定の検討を進めるなど、その自主性・自立性に配慮しながら、活動の活性化を図ります。
     一方、コミュニティづくりの担い手として今後期待される、幅広い分野で自主的活動を行っている各種団体、グループへの支援に努めるとともに、そのネットワークづくりを進めます。また、コミュニティづくりの機運を高めるよう、市民まつりや地区イベントの一層の充実を図っていきます。
     
  3. 市民の力を活かしたまちづくりの推進
     
     協働によるまちづくりを進めるため、NPO(民間非営利活動団体)関係者や、事業者、市民などによる委員会を設けます。そこでは、教育、福祉、環境、防災、文化、国際交流等の分野における協働作業の進め方や市民と行政との役割分担、実施後の評価の方策などについて検討を行い、市民と行政の信頼関係にもとづくパートナーシップの構築をめざしていきます。
     また、地域への分権は、ボランティアの協力のもと、介護保険など福祉の分野や狭山丘陵の里山管理・保全などにおいて、一定の成果をあげつつあります。
     今後は、さらにパブリックな領域への市民参加による地方分権の実践を図るため、公園や地域公共施設の管理の委託などについて、積極的な検討を図っていきます。 

施策の体系

 共に支えあう地域社会の確立

コミュニティ活動の活性化
  コミュニティ組織の育成
  コミュニティ施設の整備
  ネットワークの確立

自主活動の促進
  ボランティア・NPO(民間非営利活動団体)活動への支援
  地域活動の奨励・支援
  市民まつり・地区イベントの活性化

市民の力を活かしたまちづくりの推進
  協働事業の推進
  市民による公共施設の管理・運営 

主な事業(共に支えあう地域社会の確立)

事業名 事業概要 前期
(平成15年度~19年度)
後期
(平成20年度~24年度)
集会施設の整備 市北部地域に児童館・老人福祉館・集会施設を複合したコミュニティ施設を整備   整備(1か所)
まちづくり組織の整備 モデル地区を設け市民主体のまちづくり組織を育成 モデル地区の設定  
協働事業検討組織の設置 市民や事業者、NPO関係者で組織し、協働事業の組織や運営のあり方を検討 設置