現状と課題

  •  多摩地域は、都心の発展を受け止めるため、ニュータウンや大規模団地に見られるような住宅地の開発や工業団地整備等により、都市化が図られてきました。しかし都市化の進行が急激であったため、計画的な市街地整備が間にあわず、開発と保全のバランスを維持するうえで大切な多くの自然環境を喪失してきました。
     
     言うまでもなく、自然環境は市民の心をうるおすだけでなく、安全で快適な都市の実現になくてはならない役割を担っています。そのため、人と自然が調和した都市整備を進め、それを後世に引き継いでいくことを目標とし、「東大和市緑の基本計画」にもとづく計画の推進に努めているところです。
     
  •  市域の約25%を占める狭山丘陵は、本市の緑と水のシンボルであり、自然の生態系や都市の景観から、かけがえのない自然地となっています。この財産とも言える貴重な丘陵を後世に引き継ぐためには、東京都と連携し緑地の公有地化に努めるとともに、自然学習の体験の場、憩いやレクリエーションの場などとして活用を図る等積極的な取り組みが必要です。
     
  •  本市における市民一人当たりの公園緑地面積は、平成14年4月1日現在で8.6平方メートルとなっていますが、市街地内に限ると3.2平方メートルで、都市公園法施行令に示された標準値(5平方メートル)を大きく下回っています。
     
     うるおいを感じられる都市づくりを進めるには、市街地にこそバランスよく公園が必要であり、それぞれの地域に必要な公園緑地を、計画的・体系的に整備する必要があります。
     
  •  都市における自然の生態系を保全するためには、まとまりのある緑を連続した形で保全することが大切です。都市化の進展に伴い、農地や宅地内の緑の減少が進んでいる現状では、農地の保全や公共空間の緑化を推進するとともに、市民・事業者の協力により民有地の緑化を促進し、連続性のある緑の拡大を図る必要があります。
     
第二次基本計画の「主な事業」の達成状況
事業名 事業概要 達成状況 第三次計画での扱い
自然生態系の調査 野草・野鳥・昆虫などの動植物調査による実態把握 達成
狭山丘陵の公有地化促進 市立狭山緑地、東大和緑地、芋窪緑地の用地買収による狭山丘陵の保全 着手 継続
下砂公園の整備 第七小学校と一体となった学校公園として整備 未着手 継続
新海道公園の整備 地域特性を考慮した公園の整備方針を策定 未着手 中止
前川の親水河川整備 水辺環境を保全・創出するための整備 未着手 継続
緑のネットワーク計画の策定 狭山丘陵と市街地を結ぶ散策ルートの計画づくり 達成
 

基本目標

  1. 本市のシンボルである狭山丘陵や河川、水路、湧水、農地、樹林地など貴重な緑の資源の保全に努めます。
     
  2. 狭山丘陵を核として、市街地の公園緑地等を河川、水路、緑化を図った都市計画道路等で関連づけ、緑のネットワークの形成に努めます。
     
  3. 市街地の公園整備を進め、また、公共空間、民有地の緑化を推進し、市街地の緑の量的拡大と質的充実を図ります。
     
  4. 市街地の緑化を推進するため、市民・事業者・行政の協働の仕組みをつくり、積極的な緑化と適切な管理に努めます。 

施策の方向

  1. ふるさとの緑と水をまもる
     
     自然と共生した良好な住環境を維持していくためには、狭山丘陵を緑と水の拠点に位置づけるとともに、市街地に残る農地や樹林地、水辺などの貴重な緑と水を保全・活用していくことが必要です。
     
     このため、緑地指定の拡大や公有地化など狭山丘陵の保全を計画的に進めます。また、樹林の適正な管理を進めます。
     
     一方、市街地の貴重な緑地空間である農地は、公園整備等に役立てるため、生産緑地地区制度の適切な運用により保全を図ります。あわせて、景観形成に重要な役割を果たしている樹林地などを市民共有の財産として保全していきます。
     
     さらに、水辺については、親水化を図るとともに、用水の保全・水路の復活について検討を行っていきます。
     
  2. 緑の拠点とネットワークをつくる
     
     緑の将来像『緑と水の都市』を実現するためには、緑の拠点整備と、それらを結びつけるネットワークづくりが重要となっています。このため、規模によって異なる市街地公園の役割を踏まえ、地域ごとに必要とされる公園緑地を市民ニーズに沿って計画的・体系的に配置します。また、歩行系、生態系及び景観形成を視野に入れた狭山丘陵を核とする緑のネットワークの整備を推進します。
     
  3. 緑あふれるまちをつくる
     
     緑あふれるまちづくりを推進するため、公園、道路、学校等の公共空間をはじめ、市民や事業者と一体となって沿道緑化等民有地の緑化を推進します。
     
     また、剪定枝や落ち葉の堆肥化などの活用方法の検討を行うなど、緑の行政の分野においても環境に対する負荷の軽減を図ります。
     
     さらに、上北台駅周辺並びに立野一丁目土地区画整理事業地区をモデル地区に位置づけ、緑化の重点的整備に努めます。
     
  4. 市民・事業者・行政の協働
     
     市街地の緑の量的な拡大を図るため、公園緑地整備の計画段階から管理まで市民が参加できるなど、市民・事業者・行政の協働体制づくりに努めます。
     
     また、市民への情報提供や市民同士の情報交換が行えるよう支援体制を整えるとともに、市民の緑に対する意識の高揚を図っていきます。 

施策の体系

 緑の保全・創出

ふるさとの緑と水をまもる
  狭山丘陵の保全と活用
  水辺環境の整備
  農地の保全と活用
  樹林の保全

緑の拠点とネットワークをつくる
  公園緑地の計画的・体系的配置
  親しみのもてる公園整備
  緑のネットワーク整備

緑あふれるまちをつくる
  公共公益施設の緑化推進
  民有地の緑化推進
  環境に対する負荷の軽減
  緑化推進重点地区における緑化の推進

市民・事業者・行政の協働
  市民参加の体制づくりの推進
  市民活動の支援
  緑に対する啓発活動の推進 

主な事業(緑の保全・創出)

事業名 事業概要 前期
(平成15年度~19年度)
後期
(平成20年度~24年度)
狭山丘陵の公有地化促進 用地買収による狭山丘陵の保全 用地買収 用地買収
前川の親水河川整備 水辺環境を保全・創出するための基本調査を実施   基本調査
下砂公園の整備 空堀川と第七小学校が一体となった公園の整備方針を策定   方針策定