現状と課題

  •  市内の農地のほとんどが市街化区域内にあるため、本市の農業は、都市化の影響を強く受けており、農家数、耕地面積ともに減少傾向にあります。平成12年における農家数は225戸、耕地面積は87ヘクタールであり、経営形態は大半が兼業農家で、面積は5~30アールの規模が約半数を占めています。
     
     そのうち、生産緑地地区指定は56.48ヘクタールとなっており、緑のオープンスペースとして重要な役割を果たしています。
     
     したがって、本市の農業振興は、生産という視点に加え、さらに農業・農地を活かしたまちづくりという視点が求められています。
     
  •  本市では、古くから根強く栽培されている「狭山茶」の外、果樹類においては「多摩湖梨」などの生産が続けられています。また、最近、一部では、減農薬・減化学肥料による有機野菜への取り組みが始められており、これらの取り組みを通じた特色ある農業づくりの展開が望まれています。
     
  •  最近の農業者に対する意向調査結果では、約40%が「販売額なし」の無販売農家となっています。このため、直売体制の充実など販売機会の創出により、「小規模でも希望の持てる農業経営」の方向性を示すことが課題となっています。
     
  •  本市においては、ファーマーズセンターを中心に農業者と市民との交流が進められています。また、直売所を通じた消費者との交流により、市民のニーズに直接応える農業の模索が始まっており、地元農産物の学校給食への供給も行われています。
     
  •  一方、都市農業は、新鮮な農産物を供給すると同時に、自然環境保全機能など多様な機能を地域へ提供しています。このことから、今後の農業振興は農業者や農業関連団体へ委ねるだけでなく、市民的課題として位置づけ、農家、市民、農業団体、行政の連携のもとに展開していくことが求められています。
     
  •  個性あるまちづくりを進めるためには、「自然」や「人」など地域の特色ある資源を活かすことが重要であり、その意味からすると農業を活かしたまちづくりも地域の個性を創りだす一つとなっています。本市には、茶畑や果樹園、集落の景観、屋敷林など優れた農業環境資源がまだまだ残されています。この環境資源を「人」の知恵を引きだす市民参加とあわせ、「まちづくり」に活かしていくことが、東大和市の個性を形成する上からも重要となっています。
     
    ■農地面積と農家数の推移■
    表1:農地面積と農家数の推移
    資料:東京都農業委員会50年史「東京農業の飛躍に向けて」
     
    ■販売額別農家数の割合■
    表2:販売額別農家数の割合
    注)平成6年12月現在
    資料:「東大和市農業振興計画」
     

第二次基本計画の「主な事業」の達成状況
事業名 事業概要 達成状況 第三次計画での扱い
農業経営の診断調査 都市農業の経営基盤を確立するための総合的な調査を実施 達成
農産物特産化の推進 特産物の開発と消費拡大を図るための産地力強化・ブランド創生等の事業を展開 達成
市民農園の充実 農業体験を通して都市農業への理解を深めるための場を拡充 達成
 

基本目標

  1. 農業に必要な優良農地を計画的に保全します。また、それらをまちづくりに積極的に活用していきます。
     
  2. 農業後継者や団体・組織の育成、支援に努めます。また、都市農業のメリットを活かした特色ある農業を展開し、農業経営の安定化を図ります。
     
  3. 市民と農業とのふれあいの場や市民と農業者との交流の場を増やし、市民と共に育てる農業を推進します。 

施策の方向

  1. 農業振興計画の推進
     
     環境に対する意識の高まりの中、農地の持つ多面的機能を活かす環境保全型農業としての「市民と共に育てる東やまと農業」を実現するため、東大和市農業振興計画にもとづき、農業者、市民、行政が一体となった農業施策を推進します。
     
  2. 農地の保全と活用
     
     農地を計画的に残すとともに、都市における緑地空間を確保していくため、優良な農地の保全や市民農園・観光農園の検討を進めます。
     
     また、宅地化農地についても農家の意向を踏まえ、国や都への税制に関する改善要望に努め、極力その継続を図っていきます。
     
     さらに、都市の中の農地の持つ多面的な機能をまちづくりに積極的に活かすとともに、土づくりなどをも含め、農業生産が行いやすい環境の整備に努めます。
     
  3. 経営基盤の強化
     
     東大和市における農業経営基盤を安定・強化するため、担い手・後継者の支援や、経営に関する調査・指導のほか、農業団体・組織の育成を図るとともに、魅力ある農業経営や市民などによる農作業の支援についても検討を進めます。
     
     また、都市のメリットを活かした特徴ある農業の育成として、消費者のニーズに応えられる「地域ブランド」など地場農産物を生産するとともに、直売の充実など消費者と結びついた販路の確保に努めます。
     
  4. ふれあい農業の振興
     
     市民が「土」とふれあうことによって、生きがいを感じたり、家族のコミュニケーションを図れるよう、ファーマーズセンター等市民農園の計画的な配置や施設の充実に努めます。
     
     また、各種の農業体験などにより、農家と市民との交流の機会を拡大するとともに、学校教育の中でも体験農業が行えるよう、基盤整備を進めます。
     
     さらに、環境に対する意識の高まりの中で、市民参加による環境ルールづくりなどにより、農業生産環境の維持をめざします。

施策の体系

 都市農業の振興

農業振興計画の推進
  農業振興計画の推進

農地の保全と活用
  農地の計画的保全維持
  土づくりの推進
  農のあるまちづくりの推進

経営基盤の強化
  農業経営の近代化
  後継者の育成
  組織・団体の育成・充実
  個性を活かした農業の振興
  直販体制の整備

ふれあい農業の振興
  体験農業の拡充
  交流事業の推進
  農業環境の維持 

主な事業(都市農業の振興)

事業名 事業概要 前期
(平成15年度~19年度)
後期
(平成20年度~24年度)
活力ある農業経営育成の促進 生産性を向上させるための園芸施設を整備し、農業経営を支援 事業実施  
農産物ブランド化の推進 産地力の強化を図るための農産物ブランド化事業を展開 事業実施 事業実施