現状と課題

  •  国民年金制度は、発足以来40余年の歳月を経ながら、老後生活の所得の保障及び障害者になったり生計維持者が死亡した場合の生活保障を行うことにより、国民生活の安定に大きな役割を果たしてきています。また、社会状況の変化に即応した幾度かの制度改正が行われ、全国民共通の基礎年金としての制度に発展しています。
     
     しかし、少子高齢化の進展により、老後の期間が長期化し、また、将来の年金の支え手が減少するという大きな課題が生じていることから、長期的に安定した信頼される年金制度を確立する必要があります。
     
  •  本市の国民健康保険事業は、昭和35年4月に発足して以来、加入者の疾病・負傷・出産・死亡に関し必要な給付を行うことによって、市民の医療と健康の確保に大きな役割を果たしてきています。
     
    ■国民健康保険の被保険者数と医療費総額の推移■
    表:国民健康保険の被保険者数と医療費総額の推移
    注)被保険者数は、各年度末現在
    医療費は老人保健法分を除く
     
     平成13年末における加入者は、28,642人であり、総人口の約36%にあたります。加入者の内訳は、一般被保険者(老人を除く。)18,454人、退職被保険者等4,376人、老人保健対象者5,812人となっています。近年の経済情勢の影響も受け、被保険者数は伸びており、被保険者の高齢化の進行や医療技術の進展とあいまって、医療費は増大傾向になっています。
     
     国民健康保険制度は、保険の性格上、低所得者や高齢者の加入割合が他の医療保険に比べて高いという構造的な問題を抱えており、国民健康保険財政は、年々厳しい状況になっています。本市では平成8年度から平成11年度まで、4年連続の赤字決算に陥っていました。現在、赤字決算からは脱したものの、財政基盤は脆弱であり、その早急な強化が求められています。
     
  •  70歳以上及び65歳以上で一定の障害のある市民を対象とする老人保健制度については、急激な高齢化の進行により、今後の医療費の増大が予測されます。このため、医療費の適正化とともに、保健や福祉と連携した効率的な運用が求められています。
     
  •  生活保護制度は、昭和25年5月に施行されて以来、52年が経過しています。制定当時は、他の社会保障制度が十分に整備されていないこともあり、保護率は24.4パーミル(パーミル:1000分の1)、被保護人員は200万人を超え、戦後の混乱が終息した時期における生活困窮者支援の機能を担っていました。その後経済の復興、各種福祉施策や年金制度等社会保障制度の整備に伴い、平成7年には被保護人員約88万人、保護率7パーミルまでに減少してきました。しかし、近年の経済事情の悪化などに伴う失業者の増加等により、ここ数年は増加傾向に転じ、平成12年8月現在の被保護人員は約106万2千人、保護率8.4パーミルとなっています。
     
     本市における生活保護の状況は、平成14年4月現在で600世帯、927人で、保護世帯を世帯類型別にみると、高齢者世帯が44.5%、母子世帯が12.7%、傷病世帯、障害世帯が36.0%、その他世帯が6.8%となっています。相談数、被保護者数とも増加傾向を示しており、長期化する景気の低迷による失業者の増加などの影響から、今後も生活困窮世帯が増加するものと思われます。
     
     また、保護率の動向も、平成6年度後半から増加の傾向にあり、平成14年4月現在の保護率は11.6パーミルとなっています。
     
     今後も、自立困難なケースの増加が予測されることから、被保護世帯の安定と自立助長、支援を図るための相談体制等の充実が急務となっています。
     
    ■生活保護、被保護人員・世帯数及び保護率の推移■
    表:生活保護、被保護人員・世帯数及び保護率の推移
    注)保護率とは、人口1000人に対する被保護人員の割合
     

基本目標

  1. 市民が健康で安心した暮らしを送れるよう、公的年金制度の長期的安定化と国民健康保険制度の充実に努めます。
     
  2. 老人保健制度については、医療費の適正化と保健事業の充実により、効率的な運用をめざします。
     
  3. 生活保護の適正な実施に努めるとともに、被保護者の生活が安定し自立した生活を送っていけるよう、関係機関と連携しながら援護を図っていきます。 

施策の方向

  1. 国民年金制度の充実
     
     すべての市民が安心して老後を暮らせるよう、国民年金制度の趣旨や内容の周知徹底により加入を促進します。また、長期にわたり安心して給付を受けられる制度への充実が図られるよう、国へ要請していきます。
     
  2. 国民健康保険制度の充実
     
     国民健康保険財政の健全化を図るため、レセプト点検を充実し、適切な受診等についての広報活動に努めます。また、補助制度の改善や他の医療保険制度との均衡が図られるよう国・都へ要請していきます。
     さらに、保健・医療・福祉との連携を図り、被保険者の疾病予防対策や健康増進対策による医療費の削減に努める一方、負担と給付の公平性を原則とした、保険税の適正化に努めます。
     
  3. 老人保健制度の充実
     
     受給者の増加や医療費の増大に対応するため、レセプト点検の充実など医療費の適正化に努めます。また、保健や福祉との連携により、疾病予防を中心とした積極的な保健活動の推進を図るとともに、啓発活動の充実に努めます。
     
  4. 公的扶助制度の充実
     
     生活保護を必要とする世帯の生活の安定を図るため、適正な保護制度の運用により、必要な援護施策の実施に努めます。あわせて、生活保護基準の改善などを国・都へ要請していきます。
     
     また、医療機関や保健所、民生委員・児童委員など関係機関との連携による相談・援助体制を充実し、被保護者の自立の促進を図ります。 

施策の体系

 社会保障の充実

国民年金制度の充実
  啓発事業の推進
  相談事業の推進

国民健康保険制度の充実
  医療費適正化対策の強化
  保健事業の充実
  財政の健全化

老人保健制度の充実
  医療費制度の充実
  医療費の適正化

公的扶助制度の充実
  生活保障の充実
  自立の促進