現状と課題

  •  近年の障害者福祉をめぐる動向をみると、国においては、平成7年に障害者プランが策定されています。この障害者プランは、生涯のすべての段階において全人間的復権をめざすリハビリテーションの理念と、障害者が障害のない人と同等に生活し活動する社会をめざす、いわゆるノーマライゼーションの理念を踏まえたものになっています。そして、「地域で共に生活するために」、「社会的自立を促進するために」、「生活の質(QOL)の向上を目指して」などの目標を掲げ、従来の施設中心から在宅中心への障害者福祉の転換をめざすものとなっています。
     
     また、精神障害者の自立と社会経済活動への参加の促進を図るため、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」が平成11年に改正されました。この改正により、社会復帰を促進するための地域生活支援センターの法定化や保健・福祉施策の充実などが新たに加えられています。
     
     さらに、平成12年には、社会福祉事業法等の一部改正により、名称が「社会福祉法」に改正され、社会福祉制度が措置から利用へと改められるとともに、利用者保護の観点から権利擁護の仕組みが定められました。

■身体障害者手帳所持者の障害等級別内訳■
表:身体障害者手帳所持者の障害等級別内訳
注) 平成14年4月1日現在
 
■身体障害者手帳所持者の年齢別内訳■
表:身体障害者手帳所持者の年齢別内訳
注) 平成14年4月1日現在

  •  本市の平成14年4月1日現在における身体障害者手帳所持者は1,963人であり、人口の2.5%となっています。うち重度身体障害者は968人で、49.3%と約半数を占め、また、身体障害者の55.2%が65歳以上で、高齢に伴う肢体不自由及び内部障害の割合が急増する傾向になっています。これら障害者が地域で自立した生活を送れるよう支援するためには、総合的・一体的なサービスを提供する拠点施設としての自立生活支援センターの整備が必要となっています。
     
  •  平成14年4月1日現在で愛の手帳を所持する知的障害者は307人であり、うち重度知的障害者は118人で38.4%を占めており、急激な増加はないものの、総人口における一定割合の出現が今後も続くものと思われます。
     
     知的障害者が就労を通じて自らの可能性を伸ばし、社会的に自立した生活が送れるよう、公共職業安定所との連携及び重度知的障害者授産施設・小規模作業所等の整備・拡充等を促進していくことが重要となっています。
     
  •  精神障害者については、平成14年2月現在の精神障害者通院医療費公費負担認定者は、570人であるものの、精神障害者保健福祉手帳所持者は127人と少ない状況です。これは、統合失調症、躁うつ病、非定型精神病、てんかん、中毒性精神病、器質精神病及びその他の精神疾患すべてが手帳取得の対象となるものの、福祉サービスが少なく、手帳取得によるメリットがほとんどないことによるものと考えられます。しかし、平成11年の法改正に伴う市の役割の明確化等により、今後は手帳取得者の伸びが予想されます。このことからも、日常生活への支援・相談活動等を含め、精神障害者の社会復帰と自立及び社会参加を図っていく必要があります。
     
  •  本市においても、居宅介護(ホームヘルプサービス)、短期入所(ショートステイ)、日帰り生活介護(デイサービス)などの障害者自立生活支援サービスの充実、障害者にとってさらに利用しやすいサービス提供施設の整備や保健・福祉・医療の連携による総合的なサービス提供システムの確立、障害者関連施策と高齢者関連施策との調整などが課題となっています。
     

第二次基本計画の「主な事業」の達成状況
事業名 事業概要 達成状況 第三次計画での扱い
みのり福祉園の整備 対象者の増加と高年齢化に対応した授産施設等の整備 着手 継続
障害者リフトバスの運行 みのり福祉園通園者の交通手段を確保 達成
福祉の店の設置 授産施設などでの製作物の販売と就業の場の確保 達成
 

基本目標

  1. 障害者が家族や地域とのつながりをもちながら、住み慣れたところで自立した生活が続けられるよう、在宅生活を支える日常生活支援サービスの充実を図ります。また、健康の保持・増進のため、保健・医療サービスの充実に努めます。
     
  2. 障害の予防から早期発見・療育、リハビリテーションにいたる一貫した療育体制の充実を図ります。
     
  3. 障害者の生活の安定と自立をめざし、就労機会の拡大や社会保障の充実を促進するとともに、社会参加の推進を積極的に図っていきます。
     
  4. 障害者の身近なところで介護・生活支援サービスが提供できるよう、施設の確保を図っていきます。
     
  5. 精神障害者が地域で安心した生活が送れるよう、新たに開始される精神障害者に対する
     
    在宅福祉サービスについても、その実施に努めていきます。 

施策の方向

  1. 日常生活支援サービスの充実
     
     介護などの必要な障害者が、地域の中で安心して在宅生活が続けられるよう、日常生活支援のためのサービスの充実に努め、本人と家族への支援を図ります。
     
     また、日常生活の相談・意思の代弁・財産管理等生活援助の機能を果たす成年後見制度の確立に努めます。
     
  2. 保健・医療の充実
     
     障害の発生予防と早期発見のため、保健・医療分野と連携し、妊産婦と乳幼児の健康相談・健康診査などを拡充するとともに、早期治療や生活援助・精神的サポートなど療育体制の充実を図ります。
     
     また、医療機関などとの連携により、リハビリテーション体制の充実や診療機会の拡充に努めるとともに、医療費助成の充実を国・都へ要望していきます。
     
  3. 生活の安定・自立支援の促進
     
     障害者の経済的自立を支援するため、各種手当や年金制度等の充実を国・都へ要望していきます。
     
     また、公共職業安定所・商工会など関係機関と連携をとりながら、障害者の就労の機会の拡大に努めます。あわせて、自立生活支援センター内に障害者就業センター機能を整備することにより、就労の場の拡充を図ります。
     
  4. 社会参加の推進
     
     障害者に対する相互理解・相互交流を深めるため、やまとあけぼの学園やみのり福祉園の施設を開放するなど地域交流を促進します。また、障害者の社会参加・生きがい活動を促進するため、活動拠点の整備や障害者団体への助成、自主事業への支援強化を図ります。
     
     障害者の学習機会の確保にあたっては、生涯学習推進体制や施設の整備を進めるとともに、障害者が参加できるスポーツ・レクリエーション活動などの拡充を図ります。
     
  5. 在宅生活を支える施設の整備・充実
     
     障害者が住み慣れたところで安心して生活が続けられるよう、「障害者地域自立生活支援サービスシステム」にもとづいた施設の整備を進めます。あわせて、親亡き後の生活に向けての学習・訓練を行うため、みのり福祉園の機能の活用を図ります。また、グループホームや共同作業所等への支援に努めます。 

施策の体系

 障害者福祉の推進

日常生活支援サービスの充実
  在宅福祉サービスの充実
  地域における安全システムの充実
  移動手段の確保
  コミュニケーション手段の充実
  相談体制の充実
  成年後見制度の確立

保健・医療の充実
  発生の予防、早期発見、早期治療・療育体制の充実
  機能回復訓練の充実
  診療機会の拡充
  医療費助成の充実

生活の安定・自立支援の促進
  年金・福祉給付の充実
  雇用の促進
  就労の促進

社会参加の推進
  ふれあいと交流の促進
  社会参加・生きがい活動の促進
  学習機会の保障
  スポーツ・レクリエーション活動の充実

在宅生活を支える施設の整備・充実
  自立生活支援センターの整備
  知的障害者通所更生施設の整備
  共同作業所の充実
  グループホームの充実
  精神障害者地域生活支援センターの設置 

主な事業(障害者福祉の推進)

事業名 事業概要 前期
(平成15年度~19年度)
後期
(平成20年度~24年度)
障害者在宅福祉サービスの充実 身体障害者、知的障害者、精神障害者のための在宅生活支援サービスの充実 サービスの拡充 サービスの拡充
みのり福祉園・やまとあけぼの学園の充実・整備 両園の運営内容の充実、施設の整備 充実・施設整備 充実・施設整備