第2編 第1章 第1節 学校教育の充実
現状と課題
- 今日の児童・生徒をめぐる状況は、受験競争の過熱化、いじめや不登校の問題、社会体験の不足など、様々な問題が生じてきています。これからの教育には、豊かな人間性を育む上で大切な時期における、これらの課題への対応が求められています。
また、我が国の社会は、国際化、情報化、科学技術の進展、環境問題への関心の高まり、少子高齢化等の様々な面で大きく変化していくことが予想されます。これらの変化を踏まえた新しい時代の教育のあり方が問われています。
国においては、これからの学校教育のあり方として、「ゆとり」の中で「生きる力」を育むことを基本とし、教育内容の厳選、基礎・基本の徹底と個性を生かす教育の充実、豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力の育成、完全学校週5日制の実施など、新たな教育の展開とその基盤となる特色ある学校づくりの推進を期待しています。
市においても、21世紀という新たな時代を迎え、これからの学校教育のあり方を検討するとともに、その実現に向けた条件整備に努め、児童・生徒が生涯にわたって学び続けることができる教育の推進・充実を図っています。
- 「ゆとり」の中で「生きる力」を育むためには、ゆとりある教育活動を展開する中、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実し、児童・生徒が自ら学び自ら考える力や豊かな人間性などを育成することが重要です。そのために、各学校が創意工夫を生かし特色ある教育、特色ある学校づくりを進めることができるようにする必要があります。同時に、すべての児童・生徒が生涯にわたって人格を形成していくという視点から、その基盤となる人権教育を一層推進・充実していく必要があります。
また、児童・生徒がたくましく生きるための健康や体力を育成するため、体育・スポーツ活動の一層の振興を図るとともに、健康・安全教育の充実、進路指導・生活指導、教育相談事業の体制の整備及び機能の充実等が重要です。
- 心身障害教育においては、様々な相談に応じることのできる体制の整備や、一人ひとりの障害の状態に応じたきめ細かな教育を進める必要があります。
また、心身障害学級と通常の学級との交流など、相互理解を一層深めることも重要な課題です。
- 学校施設においては、経年により老朽化している施設の計画的な改修、特色ある学校づくりに対応した施設・設備の充実、地域開放を考慮した施設の整備等が課題です。
学校給食については、食器の改善やメニューの多様化など学校給食の充実・あり方が大きな課題です。
また、これからの学校教育の取り組みに対応するため、現在の教育センターに教員の研修・研究機能を備えた統合的な施設の設立が期待されています。
- 学校が地域社会において教育施設としての機能を十分に果たしていくためには、学校、家庭、地域社会が一体となり、地域と共に歩む中、開かれた学校づくりを推進していく必要があります。
■児童生徒数の推移■
また、これからの学校には、生涯学習におけるコミュニティの核として、その施設や機能を地域の学習・スポーツ活動、防災活動などのために積極的に開放していくことが求められています。さらに、少子化に伴う児童・生徒数の変化に対応するため、学校規模や通学区域等の適正化について、その見直しを図ることも重要な課題です。
| 事業名 | 事業概要 | 達成状況 | 第三次計画での扱い |
|---|---|---|---|
| 小・中学校の情報教室の整備 | 児童・生徒の情報処理能力を向上させるためのパソコンを整備 | 着手 | 継続 |
| 学校敷地の緑化 | 良好な市街地の形成と教育環境づくりのための生垣等の緑化を推進 | 達成 | - |
| 教育センターの整備 | 生涯学習センター内に教員の研修・研究機能、児童・生徒の教育相談機能を整備 | 未着手 | 継続 |
| 校外学習施設の建設 | 農山村に宿泊機能をもった施設を建設(青少年宿泊施設と併用) | 未着手 | 中止 |
基本目標
- 児童・生徒一人ひとりの個性を尊重し、豊かな人間性を培うため、「ゆとり」の中で「生きる力」を育む教育を推進します。
- 学校教育全般を通して、人権意識を一層向上するため、人権教育や男女平等教育等を推進します。
また、心身に障害のある児童・生徒が一人ひとりの障害の状態に応じた教育が受けられるよう教育内容の充実と機会の拡充を図ります。あわせて、人と人との触れ合いを大切にする教育を推進します。 - 新たな教育改革に対応するため、教育内容の充実、教育環境の整備を計画的に進め、各学校の創意工夫を生かした特色ある学校づくりを推進します。
また、経年劣化している学校施設・設備については、計画的な改修・改善を推進します。 - 学校・家庭・地域社会が一体となる教育活動を推進するため、学校のもつ機能・施設等を地域に積極的に開放します。また、学校が地域社会の拠点となるよう環境の整備・充実を推進します。
施策の方向
1.教育内容の充実
人権教育等の推進においては、積極的にボランティア活動や自然体験等の幅広い体験的な学習を取り入れます。また、すべての教育活動において、人権教育を基盤とする豊かな人間性と社会性を育む教育の充実に努めます。
進路指導・生活指導の充実においては、職場体験学習等の実体験を積極的に取り入れます。あわせて、教職員の児童・生徒理解にかかわる研修等の充実を図り、いじめ、不登校、学校・学級の荒れ、問題行動等に対応する心の教育の充実に努めます。また、問題行動等に対応する市内全域にわたる広域的な連絡・協力体制等の充実に努めます。
健康教育の推進においては、学校保健として、指導資料等の活用、予防対策、情報の収集・管理の充実を図ります。あわせて、保健室相談活動の機能の拡充、学校保健委員会の設置等による保健教育の充実に努めます。
また、学校安全として、指導資料等の作成・活用の充実を図ります。同時に、非常災害時を視野に入れた体験的な安全教育の充実に努めます。さらに、学校教育として、給食環境等の改善に努めるとともに、児童・生徒一人ひとりの自己管理能力を育む給食指導の充実に努めます。
教育相談の充実においては、小・中学校におけるスクールカウンセラー等の教育相談体制の充実を図ります。あわせて、市としての総合的な教育相談体制の整備及び施設・設備等の改善・充実に努めます。
体育・スポーツ活動の充実においては、体育学習指導資料等の作成・活用の充実を図るとともに、小・中学校における部活動体制等の整備・充実を積極的に行い、児童・生徒の体力の向上に努めます。
教職員の研修の充実については、指定研修、管理職研修、一般研修等の充実を図ります。また、教職員の研究・研修を奨励し、指導内容・方法の改善・工夫に努めます。
2.特色ある教育活動の充実
情報教育の推進においては、小・中学校におけるコンピュータ及びインターネットの整備・活用を推進します。また、教職員のコンピュータ研修等の一層の充実を図ります。
国際理解教育の推進においては、外国人による小・中学校の英語教育指導の派遣制度等を拡充します。また、外国人児童・生徒の日本語指導の充実を図ります。
学校図書館の充実においては、各学校に司書教諭の免許を有する教員等を配置するとともに、情報管理、施設・設備を改善・工夫し、読書活動の一層の充実に努めます。
特色ある教育活動の推進においては、少人数の学習、総合的な学習の時間等への支援を図ります。あわせて、芸能や音楽等の鑑賞や音楽活動等に取り組む機会の充実に努めます。また、姉妹都市である山都町の小・中学生と積極的な交流活動を図るとともに、学校、家庭、地域社会が一体となった総合的で主体的な活動の充実に努めます。
なお、特色ある学校づくりに向けて、その実現に向けた方策を具体化し、あわせて、今後の課題となるであろう学校選択制の導入、中高一貫教育等の懸案について、児童・生徒、学校、地域社会等の実態を踏まえ、必要に応じて検討します。
3.心身障害教育の充実
障害の状態に応じた教育の充実においては、きめ細やかな教育を推進します。また、心身障害学級と通常の学級との交流の機会を拡充し、相互理解の促進を図ります。
就学相談体制等の充実においては、様々な相談に応じることができるよう就学相談体制の機能充実を図るとともに、進路指導の充実に努めます。
4.学校施設等の整備
学校施設等の整備改善においては、老朽化した施設・設備の改善、耐震補強工事等について、計画的に整備を推進します。
また、余裕教室の活用や学校規模、通学区域等の適正化に向け、小・中学校の統廃合等の検討を行います。
学校給食施設の整備においては、老朽化した施設・設備の維持に努めます。あわせて、合理的で効率的な給食施設・設備のあり方を検討します。
教育センターの整備においては、教員の研究・研修活動、児童・生徒の教育相談、教育ボランティア制度等の機能を有する施設となるよう検討します。
非常災害時における児童・生徒の安全確保を徹底するため、校内の組織や対応のあり方等の改善を図ります。また、家庭や地域と連携し、学校の危機管理体制及び施設・設備等の充実を図ります。
5.開かれた学校づくりの推進
開かれた学校運営等の推進においては、学校評議員制度(学校運営協議会)・PTA活動等への積極的な支援を図ります。また、授業公開を積極的に実施するなど、学校・家庭・地域が一体となった教育活動の推進に努めます。
地域活動への参加においては、児童・生徒の豊かな人間性と社会性を培うため、ボランティア活動の実施など様々な地域活動への参加促進に努めます。
学校施設・設備の地域開放においては、社会教育等との連携を図りながら、学校開放の促進に努めます。また、施設等の改修に際しては地域開放を考慮した整備に努めます。
施策の体系
学校教育の充実
教育内容の充実
人権教育等の推進
進路指導・生活指導の充実
健康教育の推進
教育相談の充実
体育・スポーツ活動の充実
教職員の研修の充実特色ある教育活動の充実
情報教育の推進
国際理解教育の推進
学校図書館の充実
特色ある教育活動の推進心身障害教育の充実
障害の状態に応じた教育の充実
就学相談体制等の充実学校施設等の整備
学校施設等の整備改善
学校給食施設の整備
教育センターの整備
非常災害時における安全確保の充実開かれた学校づくりの推進
開かれた学校運営等の推進
地域活動への参加
学校施設・設備の地域開放
主な事業(学校教育の充実)
| 事業名 | 事業概要 | 前期 (平成15年度~19年度) |
後期 (平成20年度~24年度) |
|---|---|---|---|
| 学校施設の改修・改善 | 小・中学校の校舎・体育館・プール等を改修・改善 | 施設・設備の改修・改善 | 施設・設備の改修・改善 |
| 校舎等の耐震整備 | 小・中学校校舎の耐震補強等工事を実施 | 整備(2校) | 整備(2校) |
| 学習環境の改善 | 児童・生徒の良好な学習環境づくりのための扇風機・クーラーを設置 | 整備(全小・中学校) | 整備(全小・中学校) |
| 学校備品の更新 | 小・中学校放送室のAV調整卓、特別教室の机等を買替え | 更新 | 更新 |
| 情報教育の推進 | 小学校児童の情報処理能力を向上させるためのパソコン教室を整備 | 整備(9校) |


