第3章 基本計画の主要課題

 「人と自然が調和した生活文化都市」をめざす東大和市が抱える多くの課題の中から、次の6つを基本計画の分野を超えた主要な取り組み項目として位置づけています。

1 生きがいと人づくりへの支援の推進
2 循環型社会づくりの推進
3 安全で安心な生活環境づくりの推進
4 新たな市民文化づくりの推進
5 市民と行政が協働したまちづくりの推進
6 IT(情報通信技術)を活用したまちづくりの推進 

1 生きがいと人づくりへの支援の推進

 世代間のバランスがとれた人口構成の確保を図っていくためには、若い世代、特に子育て世代が東大和市に定住し安心して子どもを産み育てることができる環境が必要です。このため、保育施策や住宅環境の充実、あるいは教育環境の整備などの魅力あるまちづくりを進めていくことが求められています。

 また、今後の高齢化の進行に伴い、保健・医療・福祉サービスの需要が急速に増大することが見込まれています。特に、75歳以上の「後期高齢者」と呼ばれる年齢層の人たちの増加による介護の必要性がますます重要になってきています。

 さらに、高齢者や障害者が地域社会の中で安心して生活し、健康で活力ある暮らしが送れるような新たな視点に立った仕組みづくりを一層推進していく必要があります。

  •  多様な学習機会の提供や相談体制の充実により、家庭教育を支援します。
  •  保育体制を充実するとともに、子ども家庭支援センター等の整備により子育て支援体制を整え、安心して子どもを育てることができる環境づくりを進めます。
  •  高齢者や障害者が地域で安心して住み続けられるよう、在宅サービスなどの充実に努めます。
  •  明るく活力ある高齢社会を実現するため、生涯学習と連携した学習機会やスポーツ・レクリエーション活動、世代間交流などの施策を充実します。
  •  交通空白不便地域を解消するために、既存のバスサービスだけではカバーしきれない地域施設を連絡し、高齢者等へも配慮したコミュニティバスへの取り組みを進めます。

2 循環型社会づくりの推進

 経済社会活動の一層の拡大・発展により、大量の資源やエネルギーの消費が進みました。その結果、廃棄物の増大や多様化が生じるなど環境への負荷が高まっています。このため、ごみの発生を抑制すると同時に、資源の再利用をめざした資源回収にも積極的に取り組んでいく必要があります。

 また、市民・事業者・行政が互いに力を合わせるとともに、市民の自主的な活動を積極的に支援し、省資源・省エネルギー型まちづくりを推進していくことが重要となっています。

 さらに、生息する動植物の保護やまとまった緑地空間による快適な環境を確保するため、継続的に進めてきている狭山丘陵の保全に加え、農地や河川等を活用した身近な自然と共生するまちづくりを進めていくことも、環境への負荷を低減させるための重要な課題となっています。

  •  公害・ごみ・リサイクル・循環型社会などを視野に入れた「環境基本計画」を策定し、環境施策に総合的・計画的に取り組みます。
  •  地球温暖化など地球環境問題に地域環境の改善から取り組むため、省エネルギー対策、雨水利用、太陽エネルギー活用等の施策を推進します。
  •  「ごみゼロを目指したまちづくりの基本計画(ごみゼロプラン)」にもとづき、市民、事業者、行政が一体となってごみの発生抑制、リサイクルを総合的に進めていきます。
  •  東大和市のシンボルである狭山丘陵の緑地と生態系をはじめ、市内の自然環境を計画的に保全していきます。

3 安全で安心な生活環境づくりの推進

 東大和市の地層は、比較的形成年代の古いやや固結した地盤であることとあわせ、農地等市街地内のオープンスペースの保全あるいは都市計画道路等の積極的な整備により、防災環境は比較的恵まれた状況にあるといえます。

 しかし、直下型地震はいつ発生してもおかしくないと言われていることから、備えに対する不断の努力を欠かすことはできません。

 今後も市民の理解と協働のもと、地域防災力の一層の向上を図っていくことがきわめて重要となっています。

 また、市内で発生する犯罪数にはあまり変動がなく、ほぼ横ばいで推移している一方、交通事故による死傷者数は、年間600人に届く勢いで増加しています。特に、高齢者や障害者に配慮した総合的な交通安全対策の取り組みが必要となっています。

  •  地震による被害を未然に防止し、被害を最小限にくい止めるため、自主防災組織の育成等を進めます。
  •  都市化の進展に伴い増加する大規模・高層建物などの特殊火災に対応するとともに、地域の安全を守る消防団の活動環境を整えていきます。
  •  集中豪雨時の河川氾濫、道路冠水を解消するための施策を進めるとともに、都市の保水機能の向上に取り組みます。
  •  市民、事業者と連携して公共施設や交通機関などのバリアフリー化を進めます。

4 新たな市民文化づくりの推進

 東大和市には、狭山丘陵を背景として生まれ、守り伝えられている地域固有の貴重な文化財や景観、また、先人の英知と努力によって培われてきた市民文化が受け継がれています。

 21世紀を迎えたまちづくりに求められる新たな市民文化とは、市民一人ひとりが真に心の豊かさを実感でき、文化がまちの活性化を高めていけるような多彩な市民文化活動です。地域の中で市民が日常的に文化を享受できるとともに、創造、参加できるような地域に根づいた幅広い文化活動が重要となっており、そのための環境整備を進めていく必要があります。

  •  地域文化活動の拠点として新たに開館した市民会館を活用し、個性豊かな芸術・文化を育て、文化の香り高いまちづくりを実現します。
  •  郷土博物館を中心に、長い歴史が息づく文化や伝統の保全・活用に努めます。
  •  狭山丘陵の豊かな自然や歴史などの景観資源を活かした「東大和らしい」生活文化都市づくりに取り組みます。

5 市民と行政が協働したまちづくりの推進

 これまでの市民意識調査の結果では、地域とのかかわりについて、市が市民の意見を聞きながらまちづくりを進めることを望むという回答が約75%でした。また、ボランティア参加経験者が4人に1人の割合となっており、市民の地域への関心が着実に高まっています。

 地方分権が進む中、今後は、さらに市民の広範な参加を促すとともに、市民と行政との連携・協力に努め、市民と行政がそれぞれの立場で責任を果たしながらまちづくりに取り組んでいく協働のまちづくりを推進していく必要があります。

  •  地域社会づくりの核となるコミュニティ活動の活性化を図るため、自治会・町内会などの地域組織の育成に努めます。また、活動拠点として従来からの市民センターなどに加え、学校の余裕教室等の活用についても、積極的に検討を進めていきます。
  •  ボランティアやNPO(民間非営利活動団体)、各種グループ活動など様々な自主的活動が活性化するよう支援に努めます。
  •  教育、福祉、環境、防災、文化、国際交流などの分野における市民の力を活かした協働事業のあり方について、積極的な検討を進めます。

6 IT(情報通信技術)を活用したまちづくりの推進

 今後予想される一層の高度情報化の進展に的確に対応するため、インターネット上のホームページを活用して、行政情報や地域情報の広報・普及等を図る必要があります。また、双方向性を活かした情報処理についても検討を進めていくことが求められています。

 さらに、一層多様化し増加する市民の要望や社会経済環境の変化に即応し、市民サービスの向上を図っていく必要があります。そのためには、セキュリティ(機密性)確保や個人情報保護を前提として、多様な情報ネットワークづくりを進めるなど、IT(情報通信技術)の利点を活用したまちづくりを進めていくことが求められています。

  •  「情報化計画」を策定し、すべての市民が地理的、身体的等の制約にとらわれず、自由で安全に豊富な知識と情報を交流、活用できるよう情報化施策を推進します。
  •  いつでも、どこでも、誰でもが多種多様な選択肢の中から、適切な情報サービスを公平に受けられるようにすることが必要です。
     このため、生涯学習、芸術・文化、スポーツ・レクリエーション、保健・医療、福祉などの分野において、情報・コミュニケーション技術を活用できるよう取り組みを進めます。