はじめに

 私たちは、昭和57年に緑豊かな狭山丘陵を背にして広がるこの地に、恒久の平和と健康でより文化的な生活を営むことのできる地域社会の実現を願い、あすの東大和を育てていくための共通の目標である人間性の尊重を基調とした基本構想を策定し、この20年余の間まちづくりの基本指針として、その実現に向け積極的な取り組みを進めてきました。

 この間、社会・経済情勢は、少子高齢化の進行、情報通信技術の発達、国際化や環境問題への対応など大きく変化するとともに、価値観の多様化や地方分権の進展、さらには、長引く景気低迷の影響などから、市の行財政システム自体も、時代に相応した新たなものへと転換が迫られております。

 このため、構想期間の満了とあわせて前基本構想を継承・発展させながら、21世紀初頭を展望した新たな時代にふさわしい基本構想を策定することとしました。

 また、この基本構想を実現するため、基本計画を策定し、着実な計画の遂行をめざします。 

第1章 基本構想の意義と役割

 この基本構想は、将来の東大和を展望したまちづくりの目標と、それを達成するための基本的な施策を明らかにしたものであり、市民と行政が一体となって、望ましい地域社会を築きあげていくための指針としての役割をもつものです。

  1. 市は、この基本構想に基づいて、すべての施策を計画・実施・評価し、長期的、総合的な市政運営を図っていきます。
     
  2. 市民は、まちづくりの主権者として、また、事業者は、地域社会に寄与していくという立場から、この基本構想における役割を十分理解し、活動を展開していきます。
     
  3. 国・都などは、東大和に関する計画の策定や事業を行うにあたって、この基本構想を十分尊重しなければなりません。  

第2章 まちづくりの基本姿勢

 この「まちづくりの基本姿勢」は、人間性の尊重を基調としたまちづくりを展開していくにあたって遵守しなければならない原則であり、この基本構想に一貫して流れている基本的な考えです。

1.市民生活の向上

 まちは、市民の生活の場であり、幸福を求めていくための場です。まちづくりをすすめるにあたっては、すべての市民が幸せな生活を送れるようになることを優先して考え、社会的公平のもとに、市民生活の擁護とその向上をめざしていきます。 

2.市民自治の確立

 まちづくりの基本は、市民の権利と責任のもとに「そこで働き、生活している市民自身がつくる」ところにあります。このような視点から、市民一人ひとりが、地域社会の一員としての自覚と誇りをもち、その積極的な参加と行動を通して市民本位のまちづくりを展開し、市民自治の確立をめざしていきます。 

3.市民文化の創造

 長年にわたって培われてきた文化に学び、発展させて、後世に誇れるものにしていくことが、今に生きる人々に与えられた役割であるといえます。こうしたことから、市民の英知と努力によって地域社会の進展を図り、広く国際社会にも寄与していけるような魅力ある文化を創造していきます。 

第3章 まちづくりの目標

 この「まちづくりの目標」は、将来にわたっての市民の願いであり、市民と行政が、その実現に向けて英知と努力を結集していくための共通の目標となるものです。

1.都市像

 東大和のまちづくりの理想は、私たちやここに生まれ育つ子どもたちが心から「ふるさと」と呼べるにふさわしいまちを築き上げることです。

 そのためには、狭山丘陵の豊かな自然と共生した、個性的でうるおいのある良好な環境を守り育てるとともに、多様で多彩な市民生活を支える基盤を整備し、誰もが安心して暮らせるやすらぎのあるまちづくりを進めることが重要です。

 さらには、賑わいと活力に満ちた産業を背景に、市民同士が様々な教育・文化活動を通して交流し合えるいきいきとしたまちづくりが求められています。

 このことから、私たちがめざす将来の都市像を 

『人と自然が調和した

生活文化都市 東大和』

と定めます。 

1.基本目標

 都市像を実現するための基本目標を、次のとおり定めます。

豊かな人間性と文化をはぐくむまち

健康であたたかい心のかよいあうまち

暮らしと産業が調和した活力あるまち

環境にやさしく安全で快適なまち

相互の理解と協力に支えられるまち
 
 

2.基礎的指標

(1)目標年次

 目標年次は、西暦2021年(平成33年)とします。

 なお、この基本構想は、策定してから10年を経過した時点で見直しを行います。また、社会・経済情勢などに著しい変化が生じた場合にも適宜見直しを行います。

(2)人口

 目標年次までの期間における最大人口は、おおむね8万2千人と想定します。 

第4章 まちづくりの基本施策

 この「まちづくりの基本施策」は、人と自然が調和した生活文化都市 東大和を実現するための施策の大綱を明らかにしたものです。これらの施策については、「まちづくりの基本姿勢」を踏まえて総合的に推進していくとともに、新たに生まれる課題についても、この基本構想の主旨のもとに積極的に対応していきます。

 また、ここに掲げる施策のうち、国・都・事業者が実施主体となるものについては、その推進を要請していきます。

1.豊かな人間性と文化をはぐくむまちづくり

 市民が生涯にわたる学習活動を通して豊かな人生を送ることができるよう、家庭教育、学校教育、社会教育等を充実し、共に生き共に学びあうことのできる社会を構築していきます。また、自主的で多彩な文化・余暇活動を振興するための環境をつくり、豊かな人間性と文化をはぐくむまちの実現をめざしていきます。

  •  市民の一人ひとりが生涯の各時期に必要に応じた教育が受けられ、また、自主的な学習活動ができる生涯学習社会を構築していきます。
  •  子どもたちの意見や個性が尊重され、学ぶ喜びを実感できる教育を充実していきます。また、地域に開かれた創造的で特色のある学校づくりを推進していきます。
  •  家庭、学校、地域等が一体となって、児童・青少年の健全育成活動を促進していくとともに、そのための条件整備に努めていきます。
  •  先人が培ってきた歴史と伝統に親しみ、学び、後世へ引き継ぐとともに、新たな市民文化を創造していきます。また、市民の一人ひとりが芸術文化、スポーツ・レクリエーションを身近に親しむことができる機会と場づくりに努めていきます。 

2.健康であたたかい心のかよいあうまちづくり

 市民が健康で幸せな生活を送れるよう、保健・医療体制を確立していくとともに、相互の助け合いと公的な支援による総合的な福祉施策を展開していきます。また、誰もが地域の中で生き生きと生活していける福祉の風土を育て、健康であたたかい心のかよいあうまちの実現をめざしていきます。

  •  自らの健康は自らが守ることを基本とした健康の保持・増進のための体制を整備していきます。また、生涯の各時期に必要に応じた保健・医療サービスを充実していきます。
  •  高齢化が進行する中、保健・医療・福祉の連携のもとに、高齢者が地域で安心して自立した生活ができるような介護・生活支援サービスを充実していきます。
  •  ノーマライゼーションの理念のもとに、障害のある人が住みなれた家庭や地域の中で自立し、共に生活できるような介護・生活支援サービスを充実していきます。
  •  少子化が進行する中、次代を担う子どもたちを安心して生み、健やかに育てることができるような育児・生活支援サービスを充実していきます。
  •  市民と行政の連携により地域福祉を推進するとともに、市民の誰もが安心して社会参加できるユニバーサルデザインの視点に立った環境の整備に努めていきます。

(注) ノーマライゼーション

 障害がある人も、ない人も、社会の一員として、お互いに尊重し、支え合いながら、地域の中で共に生活する社会こそが当たり前の社会である、という考え方。

(注) ユニバーサルデザイン

 障害者や高齢者等を区別して考えるのではなく、誰にでも使いやすい空間をつくっていこうとするバリアフリーから一歩進んだ考え方。 

3.暮らしと産業が調和した活力あるまちづくり

 市民の暮らしの視点から、就労機会の拡充や勤労者福祉の向上、消費者保護などの施策を展開して、市民生活の安定と向上に努めていきます。また、地域の特性や生活環境に十分配慮した産業の振興を図って、地域経済の自立性を高めていきます。そして、市民と事業者が相互に理解し協力しあって地域の発展に努め、暮らしと産業が調和した活力あるまちの実現をめざしていきます。

  •  関係機関と連携して、労働環境の向上と福利厚生の充実、就労機会の拡充等に努めていきます。
  •  消費者意識の高揚に努めて自立した消費者を育成していくとともに、消費者保護の体制を整備していきます。
  •  環境保全などの多面的な機能をもつ農地を守り、市民との交流等を促進するためのふれあい農業を推進していきます。
     また、生産環境と生活環境が調和した工業地域の土地利用を図るとともに、新たな都市型産業の育成と誘導に努めていきます。
     さらに、利便性に富み、親しみやすい商店街を育成していくとともに、商業・業務核の形成に努めていきます。

4.環境にやさしい安全で快適なまちづくり

 市民が愛着と誇りをもち、住み続けたいと思えるまちとしていくため、自然環境の保全・創出とともに、資源・エネルギー消費の抑制など環境への負荷の軽減に努めていきます。
 また、利便性に富み、安心して生活できるような都市基盤を整備していくとともに、地域の特性や景観等に配慮しながら都市の個性と魅力を創出し、環境にやさしく安全で快適なまちの実現をめざしていきます。

  •  将来の都市構造を踏まえた市街地整備の方針に基づいて、道路、交通、公園・緑地、河川などの都市的施設を整備し、秩序あるまちづくりを推進していきます。
  •  緑の拠点となる狭山丘陵の貴重な自然を守り育てていくとともに、市街地の身近な緑と水辺環境を保全・創出して、自然と共生したまちづくりを推進していきます。
  •  災害や犯罪、交通事故等を防止するための施設や体制を整備し、市民の生命と財産を守っていきます。
  •  市民や事業者等の意識の高揚を図って、ごみの減量化やリサイクル化などを推進し、環境にやさしい資源循環型社会を構築していきます。 

5.相互の理解と協力に支えられるまちづくり

 市民が等しく社会を構成する一員として、安心して生活を営むことのできる環境づくりに努めていくとともに、市民による市民のための自主的で多彩な社会活動を展開していきます。また、地域を越えた広域的な連携をも深めて、相互の理解と協力に支えられるまちの実現をめざしていきます。

  •  男女の共同参画を基本として、家庭、学校、職場、地域等が一体となり、誰もが社会の構成員として対等な生活を送ることができる環境づくりに努めていきます。
  •  市民と行政との情報の共有化を促進し、多様な情報を享受できるような体制を整備していくとともに、高度情報化社会に対応した基盤整備に努めていきます。
  •  自主的で多彩なコミュニティ活動やボランティア活動、民間非営利活動などを促進するための体制を整備し、そうした諸活動への参加と行動を通して自治意識の高揚を図っていきます。
  •  都市間の交流の輪を広げて、広域的な相互理解、相互協力の関係を築き上げていくとともに、国際化、平和・友好に向けた社会の醸成に努めていきます。  

第5章 基本構想を実現するために

 この基本構想を実現するため、市民と行政がまちづくりの役割を分担し合えるような協働関係を構築していくとともに、事業者や近隣市町村・都・国などと連携して、長期的・総合的なまちづくりを推進していきます。そして、私たちは、ここに定めた基本構想を礎に、その限りない英知と努力を結集して幾多の困難を克服し、次代の人々にも誇れる地域社会の実現をめざしていきます。

  •  地方分権の進展にあわせ、市民サービスの向上を前提とした簡素で効率的な行財政運営を確立していきます。また、全体の奉仕者として、市民や地域社会の期待に的確に応えることができる人材の育成に努めていきます。
  •  市民が主体的に地域社会の活動などにかかわり、行政の計画や実施過程に意見や要望を反映させていけるような市民参加の機会を拡充していきます。そのため、行政手続の明瞭化や情報公開など、行政の透明化を高めるとともに、広報・広聴活動などの一層の充実を図っていきます。
  •  市民生活圏の地域を越えた拡大が進む中、自治体相互の自主性や自立性を尊重しつつ、近隣市町村との連携を深め、一層の広域的な地域資源の有効活用を推進していきます。